「ピクニック・アット・ハンギングロック」(リンジー)②

観終わったあと、異様な恐怖に襲われた

「ピクニック・アット・ハンギングロック」
 (「CINE VIVANT N°13」)(映画パンフレット)

前回取り上げた「ピクニック・アット・
ハンギングロック」は、
実は1975年には
ピーター・ウェアー監督によって
映画化されています(濠)。
原作同様、
こちらも日本に入ってくるのが遅れ、
本邦公開は1986年でした。
当時私は大学生であり、
文化に飢えていて、
洋画を片っ端から鑑賞していました。
その中の一つでした。
「ハワード・ザ・ダック」
「ハスラー2」
「トップガン」
「エイリアン2」
「ダウン・バイ・ロー」
「ロッキー4」
「カラー・パープル」
「ゴリラ」
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
「サイコ3」など、
人気作品が目白押しでしたが、
最も印象に残っているのが本作品です。

当時観終わったあと、
「失敗した」という
感覚がありましたが、
帰宅して就寝するときに、
異様な恐怖に襲われたことを
覚えています。
「わからないこと」はやはり
強烈な恐怖なのです。

そのときに購入したパンフレットを、
30年間大切に保存していました。
私にとっては
どうしても忘れられない映画です。
本作品については
パンフレットも貴重であり、
シナリオが収録されているからです
(おそらく抜粋)。
これを読むと、映像のほとんどを
忘れたにもかかわらず、
ひたひたと忍び寄るような
映画の「恐怖感」を
味わうことができるのです。

映画ですから、
原作と異なる部分は多々あります。
しかし、
原作の「わからない恐怖」を
しっかりと再現し、
かついくつかの事件を加え、
より「恐怖感」を増した
筋書きになっているのです。

また本作品の特徴は、
その映像美にあります。
白いドレスをまとった美少女たち。
特に失踪する生徒の
中心人物・ミランダ役の
アン・ランバートの
息をのむような美しさは
忘れられません。

さらに原作とは異なり、
性的なイメージを
連想させる場面ややりとりが
隠喩的に含まれています。
これも少女たちに降りかかる
未知の危険を意図的に
強調していると考えられます。

TVでもレンタルビデオ店でも
見かけることなどなく、
DVDやBlu-rayも
出ていたにもかかわらず
購入できないまま廃盤となり、
あれから30年以上の
月日が流れました。
原作の出版は、
本当にうれしい限りです。
カルト的な本作品が、
日本で正当に評価される日が
来ることを願っています。

(2019.1.29)

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