クリスマスに読みたい名作8冊

テーマ別お薦め本8冊File-001

悲喜こもごものクリスマス

クリスマスとなりました。
欧米の文学作品には、
クリスマスを舞台としたものが
いくつもあります。
日本では単にプレゼントを贈ったり
ケーキを食べたりする
習慣だけなのですが、
キリスト教圏ではさすがに
特別な意識があるのでしょう。
テーマ別お薦め本8冊第1回は、
クリスマスにちなんだ作品集です。

その1
「クリスマス・キャロル」(ディケンズ)

クリスマス・イヴ、
守銭奴・スクルージの前に現れた
三人の精霊。
第一の精霊は過去の自分と
その周囲の人々、
続く第二の精霊は
現在の彼の周囲の
貧しくも心清らかな人々の
姿を見せる。
そして第三の精霊が
彼を導いて見せたものは…。

その2
「クリスマスツリー」(サラモン)

ロックフェラー・センターの
クリスマスツリーを
担当する「私」は、
ある修道院に育った
一本のドイツトウヒを
次の候補として選んだ。
それを譲り受けるべく
訪れた「私」は、
その木の友だちであるという
シスター・アンソニーと出会う…。

その3
「飛ぶ教室」(ケストナー)

ギムナジウムの生徒・
マルティンは考えた。
「お父さんお母さんのことが
 大好きだし、
 ぼくもかわいがられてる。
 なのに、いっしょに
 クリスマスイブを過ごせない。
 それはどうしてなのか。
 お金のせいだ。
 どうしてうちにはお金が」…。

その4
「サンタクロース少年の冒険」(ボーム)

森に捨てられていた赤ん坊は
クロースと名付けられ、
妖精たちに囲まれて
育っていった。
少年となった彼は、
人間の厳しい生活を
目の当たりにし、
森を出ることを決意する。
そして子どもたちに
夢を与えるため
玩具を作り始める…。

その5
「青い鳥」(メーテルリンク)

クリスマスイヴ、
貧しい木こりの子・チルチルと
ミチルの部屋に、
醜い年寄りの妖女が訪れ、
こう告げる。
「これから私の欲しい青い鳥を
探しに行ってもらうよ」。
二人の子どもは
光・犬・猫・パン・
砂糖たちとともに、
不思議な旅に出る…。

その6
「賢者の贈り物」(O.ヘンリー)

ある貧しい夫婦が、
互いにクリスマスプレゼントを
買うお金を工面する。
妻は、夫が大切にしている
金の懐中時計の鎖を買うために
自慢の髪売り、
夫は、妻が欲しがっていた
鼈甲の櫛を買うために
自慢の懐中時計を
質に入れていた…。

その7
「マッチ売りの少女」(アンデルセン)

大晦日の街の通りを、
裸足で歩く少女は、
売り物のマッチが一つも売れず、
家に帰るに帰れない。
寒さに耐えきれず、
彼女は路地裏で
一本のマッチを擦る。
するとそこには
飾られたクリスマスツリーなどの
美しい幻想の風景が広がり…。

その8
「フランダースの犬」(ウィーダ)

犬のパトラシエ、
そしておじいさんとともに暮らす
貧しい少年・ネロ。
貧しいが故に
村の有力者コゼツ氏から嫌われ、
娘アロアとの交際を断たれる。
ある日、コゼツ氏の風車小屋で
火災が起き、
ネロはあらぬ疑いを
かけられてしまう…。

救いの物語もあれば、
悲しい小説もあります。
クリスマスは欧米人にとって
宗教行事であり、
日本のようにプレゼント交換や
男女の愛の祭ではないのです。
欧米の文化を知るという意味でも、
これらの作品を読む意義は
あると思うのです。

いやいや、難しいことなど考えず、
愛する人に本を贈る
クリスマスというのはどうでしょうか。
チョコレートやクッキーを
贈る日があるなら、
本を贈る日があってもいいはずです。
愛する旦那さんに、奥様に、お子さんに、
贈る一冊としても
ふさわしいと思います。
ぜひいかがでしょうか。

(2020.12.24)

Jill WellingtonによるPixabayからの画像

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA