「公然の秘密」(安部公房)
「仔象」にはいろいろなものが置き換えられる 「公然の秘密」(安部公房)(「日本文学100年の名作第7巻」) 新潮文庫 「公然の秘密」(安部公房)(「笑う月」)新潮文庫 汚泥でよどんでいる堀割で、動くはずのないものが動いて...
「仔象」にはいろいろなものが置き換えられる 「公然の秘密」(安部公房)(「日本文学100年の名作第7巻」) 新潮文庫 「公然の秘密」(安部公房)(「笑う月」)新潮文庫 汚泥でよどんでいる堀割で、動くはずのないものが動いて...
大正期の童話の世界を堪能しませんか 「白」(芥川龍之介)(「蜘蛛の糸・杜子春」)新潮文庫 「白」(芥川龍之介)(「芥川龍之介全集5」)ちくま文庫 犬の白は、友達の犬の黒が犬殺しに襲われるのを目撃するが、怖さのあまり逃げ帰...
明治の探偵小説と侮るなかれ 「あやしなや」(幸田露伴)(「明治探偵冒険小説集4」)ちくま文庫 若い妻を持っていたぱあどるふが謎の死を遂げる。その死に不審を感じた探偵だんきゃんは警察署長のぶらいとに進言、捜査が開始される。...
「裏庭」は何を表しているのか? 「裏庭」(梨木香歩)新潮文庫 照美が入り込んだ「裏庭」の世界は、崩壊が始まっていた。それを食い止めるためには、バラバラにされた龍の骨を一つにまとめなくてはならないのだという。照美はその世界...
深い主題をいくつも内包している文学作品 「裏庭」(梨木香歩)新潮文庫 人の住まなくなった古い洋館の中で、照美はおじいちゃんから聞いた、「裏庭」への入り口となっている大鏡を見つける。「アイル・テル・ユウ」という声とともに鏡...
「純」なものをしっかりと受け止めて欲しい 「百年文庫096 純」ポプラ社 「馬鹿一 武者小路実篤」石や草ばかりを描く画家の馬鹿一。自己流で稚拙ではあるが、どこまでも誠実な人柄が滲み出ているため、彼の描く絵は心ある人の観る...
21世紀末の日本語はこうなっている 「曲り角の日本語」(水谷静夫) 岩波新書 私がいちいち指摘するまでもなく、私たちの身のまわりには変な日本語が溢れてきています。20年ほど前にはいわゆる「ら抜き言葉」などが日本語の乱れと...
陽の当たらない道をひっそりと、しかし 「花の下もと」(円地文子)(「日本文学100年の名作第7巻」) 新潮文庫 「お勢が亡くなった」と、とき子は「私」に告げる。とき子は歌舞伎俳優・喜瀬川仙寿と一時、熱い仲になった女であり...
純粋な児童文学を純粋な気持ちで楽しみましょう 「犬と笛」(芥川龍之介)(「蜘蛛の糸・杜子春」)新潮文庫 「犬と笛」(芥川龍之介)(「芥川龍之介全集2」)ちくま文庫 木こりの髪長彦は三匹の犬を連れて、さらわれた二人の姫の救...
雪が、徐々に融け始めるかのような 「母」(加能作次郎)(「百年文庫025 雪」)ポプラ社 母が死んでから半年余りになる。此頃になって、頻りにその母の面影が懐しく偲ばれる。母は私には第二の母だった。母が継母だということを知...