「RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧」(荻原規子)

この面白さは前作以上です

「RDG2 レッドデータガール
         はじめてのお化粧」
(荻原規子)角川文庫

故郷を離れ、
東京の鳳城学園に入学し、
相楽深行と再会した鈴原泉水子。
寮の同室相手・
宗田真響とも打ち解け、
無事に高校生活を
スタートさせる。
しかし初日、
泉水子の目に映った
クラスメイトの留学生の一人は、
人ではなかった…。

五十を過ぎたおじさんが
読むべき本ではないと知りつつ、
続篇に手を出してしまいました。
主人公・泉水子(いずみこ)の運命が
気になって仕方ないほど、
「RDG」が面白かったからです。
まずは登場人物から。

【登場人物】
鈴原泉水子

…人間でないものを見分ける
 能力を持つ。
 「姫神」に時々憑依される。
 極度の引っ込み思案。
相楽深行
…泉水子の幼馴染みで山伏の家系。
 父・雪政と対立。
宗田真響
…泉水子のルームメイト。才色兼備。
 宗田三姉弟の一番上。
宗田真夏
…人より馬に関心を持つ。
 宗田三姉弟の一番下。
宗田真澄
…宗田三姉弟の真ん中。
 6歳で亡くなる。
 真響・真夏に呼び戻されると実体化。
相楽雪政
…深行の父。見た目の若い美男子。
 鳳城学園に非常勤講師として勤務。
リカルド
…泉水子のクラスの留学生。
 泉水子が人ではないと見抜く。
高柳一条
…学力学年№1。
 何かを画策している。
如月・ジーン・仄香
…現生徒会長。
村上穂高
…影の生徒会長。
 「判定者」の一人。

RDG2の読みどころ①
何かの能力者だらけの学園

泉水子は前作で、自分が
普通の女の子とは違っていることに
悩むのですが、
この鳳城学園ではそうした異質な人間が
多数入学しているのです。
それも人に知られないように
ひっそりと生活し、
それぞれが暗躍しているのです。
泉水子や深行の力など
小さなものに過ぎず、
生徒にも、そしておそらく教師集団にも
強大な能力の持ち主が
潜んでいるであろうことが
匂わされます。
この面白さは前作以上です。

RDG2の読みどころ②
最初の戦い勃発

当然、事件は起きます。
泉水子が「人ではない」と見抜いた
留学生・リカルドを操っていたのは
学力学年№1の高柳。
しかし彼の企ては宗田三姉弟によって
いとも簡単に砕かれます。
これからのシリーズはこの高柳一派と
泉水子・深行・宗田三姉弟連合の
戦いかと思われましたが、
この衝突は真の戦いの前の単なる
小競り合いに過ぎないのでしょう。
だとすればこの後
どのような戦いが待ち受けているのか?
この面白さは前作以上です。

RDG2の読みどころ③
ほとんど明らかにされない
シリーズ全容

姿を見せた宗田真澄、
泉水子に接触する現生徒会長・仄香と
影の生徒会長・穂高、
突然非常勤講師として赴任する雪政、
再び泉水子に憑依する「姫神」、
カラスの姿で深行の前に現れる和宮。
シリーズの全容は
全く明らかにされないまま、
中途半端な形で本作は完結します。
しかしその期待感は
読み終えてなお膨らむ一方です。
この面白さは前作以上です。

第二作あたりで失礼しようと
考えていましたが、
後に引けなくなってしまいました。
「RDG3」を
急いで購入しようと思います。

(2021.2.1)

Sarah RichterによるPixabayからの画像

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