「RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女」(荻原規子)

物語は、俄然面白くなってきました

「RDG4 レッドデータガール
         世界遺産の少女」
(荻原規子)角川文庫

「戦国学校祭」に向けた
着付け講習会で、
急遽モデルを務めることになった
泉水子。
彼女が三つ編みを解くことにより
姫神が呼び寄せられることを
深行は恐れる。
無事モデルを務め終えるが、
髪を編み上げたにもかかわらず
泉水子は…。

人気シリーズも第4弾に
差し掛かりました。
スローテンポだったこれまでと比べ、
謎が徐々に明らかにされ、
いよいよクライマックスの
学校祭に向けて
大詰めの展開となっています。

【登場人物】
鈴原泉水子
…「姫神」に時々憑依される。
 その封印のため三つ編みにしている。
相楽深行
…泉水子の幼馴染みで山伏の家系。
宗田真響
…泉水子のルームメイト。才色兼備。
 宗田三姉弟の一番上。
宗田真夏
…人より馬に関心を持つ。
 宗田三姉弟の一番下。
相楽雪政
…深行の父。
 鳳城学園に非常勤講師として勤務。
如月・ジーン・仄香
…現生徒会長。
秋乃川玲奈
…仄香の親友。二年生。
村上穂高
…影の生徒会長。「判定者」の一人。
和宮
…神霊の一種。
 カラスの姿をし、深行と同化。
姫神
…泉水子に憑依する神霊。

RDG4の読みどころ①
盛り上がるラブコメの要素

このシリーズで、
第3作まで欠けていたものは何か?
ラブコメ、「恋愛物語」です。
主人公の男女の関係が恋に
発展しないのでは魅力半減なのですが、
この第4作ではその兆しが
見え始めました。
相変わらず泉水子と深行の間柄は
しっくりくることはないのですが、
この第4作では、
それぞれがお互いのことを考え、
思いやる段階まできています。

泉水子に憑依した姫神の命令で、
深行は姫神を
八王子城跡まで案内します。
姫神から泉水子の意識を
取り戻そうとした深行の真剣さと、
姫神のまま深行と
疑似デートにおよんだ泉水子の悩みが、
やはりすれ違うあたりが
なんともいえません。
物語は、俄然面白くなってきました。

RDG4の読みどころ②
明かされはじめる姫神の謎

今回降臨した姫神は、
よく語ります。
自らの存在の意味について、
最小限ではあるものの、
深行に語りかけるのです。
断片を総合すると、
姫神は特殊能力を持った未来の人間、
人類を破滅させてしまうが、
その回避のために過去を修復しようと
何千年も時間を遡っている、
しかも今回は三回目であり、
最後になるだろうと。
いきなり壮大な
スケールとなってきました。
物語は、俄然面白くなってきました。

RDG4の読みどころ③
戦国学園祭をめぐるそれぞれの思惑

学校祭のテーマは「戦国学園祭」。
しかも学園敷地は古戦場後、
亡霊が存在する可能性がある。
高柳一派は教員をも使って
また何かを画策している。
すでに敷地には
何らかの結界が張られている。
急遽高校三年生保護者も
イベントに加わることとなり、
悪意を持った人間の侵入を
防ぐことが困難な状態になる。
壮大なカオス状態となっているのです。
物語は、俄然面白くなってきました。

ここまで盛り上がってしまうと、
次のRDG5をスルーすることなど
とうてい考えられません。
早急に第5巻を入手したいと思います。

(2021.4.1)

Larisa KoshkinaによるPixabayからの画像

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