「RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日」(荻原規子)

一体何が起きるのか、予断を許しません。

「RDG5 レッドデータガール
         学園の一番長い日」
(荻原規子)角川文庫

戦国学園祭がいよいよ始まった。
泉水子たち執行部は
黒子の衣装で裏方に回る。
謎のホラーハウス、
怪しげな気球、
暗躍する大人たち、
幾重にも張り巡らされた結界…。
メインイベント開始直前、
泉水子は高柳と接触し、
ついに…。

RDGも第5巻となり、
とうとう最大の山場と考えられる
戦国学園祭へと突入しました。
学園祭といっても
まともなものではありません。
高柳一派だけでなく、
大人も含めてそれぞれの立場で
この学園祭を機に
勢力拡大を図ろうという
思惑が入り乱れ、大混乱必至です。
一体何が起きるのか、
予断を許しません。

【登場人物】
鈴原泉水子
…「姫神」に時々憑依される。
 その封印のため三つ編みにしている。
相楽深行
…泉水子の幼馴染みで山伏の家系。
宗田真響
…泉水子のルームメイト。才色兼備。
 宗田三姉弟の一番上。
宗田真夏
…人より馬に関心を持つ。
 宗田三姉弟の一番下。
相楽雪政
…深行の父。
 鳳城学園に非常勤講師として勤務。
如月・ジーン・仄香
…現生徒会長。
高柳一条
…真澄と戦い敗れるが、
 学園祭で何かを画策している。
村上穂高
…影の生徒会長。「判定者」の一人。
和宮
…神霊の一種。
 カラスの姿をし、深行と同化。
鈴原紫子
…泉水子の母。現在の姫神憑き。
姫神
…泉水子に憑依する神霊。

RDG5の読みどころ①
至る所に仕掛けあり

粗筋に載せたとおり、
至る所に怪しげな仕掛けが施され、
まともな学園祭には
なりそうもありません。
まずは女子生徒数名が霊障を受けた
形跡のあるホラーハウス。
それはデマであることが
後に明らかにされますが、
泉水子はしっかりそこで
亡霊と出会ってしまいます。
二日目に現れた、
化学部製作の謎の気球。
化学部には高柳が絡んでいますので、
もちろんただのアトラクションなどでは
ありません。
高柳一派だけでなく、
いろいろな人間が決壊を張り巡らし、
学園の敷地内にはいくつかの
次元の断層まで現れています。
一体何が起きるのか、
予断を許しません。

RDG5の読みどころ②
単独行動の多い泉水子

今回は泉水子の単独行動が目立ちます。
学園祭初日は
止められていたにもかかわらず
ホラーハウスに侵入、
亡霊たちに取り憑かれそうになります。
また二日目は、偶然ではあるものの、
単独で高柳一派と
接触することになります。
これまで周囲に助けられていた
泉水子ですが、
この日の彼女はこれまでとは
ひと味もふた味も違います。
一体何が起きるのか、
予断を許しません。

RDG5の読みどころ③
一歩進む、二人の思い

前作RDG4では、読みどころとして
「盛り上がるラブコメの要素」を
挙げました。
泉水子と深行、二人の思いは
本作でもさらに一歩進展しそうな
気配が濃厚です。
物語の進行同様、
遅々として進まない二人の関係は
見通しが不明です。
一体何が起きるのか、
予断を許しません。

これまで以上の事件が起きるのですが、
学園祭は無事終了します。
これだけ壮大なスケールでの
物語でありながら、
学園の日常を破壊するような
展開にしていないところもまた
読みどころの一つです。

いよいよ残すは最終巻RDG6のみ。
一体何が起きるのか、
予断を許しません。

(2021.5.7)

Enrique MeseguerによるPixabayからの画像

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