「皇帝の燭台(未完作品)」「黒衣の道化師(未完作品)」(横溝正史)
当時の子どもたちはどれほど残念だったか 「皇帝の燭台(未完作品)」「黒衣の道化師(未完作品)」(横溝正史)(「横溝正史少年小説 コレクション④青髪鬼」)柏書房 「これをオーロラ曲馬団のジミー松田という人に…」。難破船の...
当時の子どもたちはどれほど残念だったか 「皇帝の燭台(未完作品)」「黒衣の道化師(未完作品)」(横溝正史)(「横溝正史少年小説 コレクション④青髪鬼」)柏書房 「これをオーロラ曲馬団のジミー松田という人に…」。難破船の...
日本人にとってかくも恐ろしいこの「空気」 「山本孫三郎」(長谷川伸)(「日本文学100年の名作第5巻」) 新潮文庫 金沢藩士・山本孫三郎は、金貸し雲田忠太夫の無礼な態度に腹を据えかね、斬り捨てる。孫三郎は作法に則って事故...
印刷が人の思いを伝え、人の思いを形に残す 「活版印刷三日月堂 雲の日記帳」(ほしおさなえ)ポプラ文庫 三日月堂を編集者・岩倉が訪れる。友人の水上が本の出版を承諾した礼を述べに来たのだ。出版の条件は三日月堂で印刷することだ...
それらは一体何のメタファーとして機能しているのか 「色彩を持たない多崎つくると、 彼の巡礼の年」(村上春樹) 文春文庫 多崎つくるは16年前の大学生時代、親密な付き合いをしていた四人の友人たちから一方的に絶交を言い渡さ...
はかない「俤」を辿る作品三篇 「百年文庫061 俤」ポプラ社 「山の手の子 水上瀧太郎」お屋敷の子の「私」は町っ子と遊ぶことを禁じられていた。しかし、一人遊びに飽きた「私」は、下町の子たちとすぐに仲良くなる。そして魚屋の...
児童文学とはどうあるべきか、試行錯誤が続いた時期 「三角と四角」(巌谷小波)(「日本児童文学名作集(上)」) 岩波文庫 「三角と四角」(巌谷小波)(「日本児童文学大系1巌谷小波集」) ほるぷ出版 三角定規はいつも自分の角...
この語り口でなければ絶対に成り立たない 「車中の毒針」(快楽亭ブラック)(「明治探偵冒険小説集2」)ちくま文庫 馬車が終点に到着し、加納は乗り合わせた婦人を揺り起こそうとするが、すでに事切れていた。婦人は十七八歳の若さだ...
今回の御子柴少年は、スーパー・ヒーロー 「獣人魔島」(横溝正史)(「横溝正史少年小説 コレクション④青髪鬼」)柏書房 「獣人魔島」(横溝正史)(「真珠塔・獣人魔島」)角川文庫 刑務所を脱走した死刑囚・梶原の消えた鬼頭博...
「まくらおとし」とは何? 「極楽まくらおとし図」(深沢七郎)(「日本文学100年の名作第8巻」) 新潮文庫 「ワシ」の本家の孫のカンちゃんが、駅前の喫茶店で「コテン」を開くのだという。その絵の中の一枚の題が「まくらおとし...
4つの「西の魔女が死んだ」 「西の魔女が死んだ」(梨木香歩) 楡出版・小学館・新潮文庫・新潮社 わたしはもう学校へは行かない。中学進学後、不登校となった少女まい。彼女は片田舎に一人で住む祖母の家で過ごすことになる。祖母が...