「はたらく細胞05」(清水茜)

一つの繋がりを持ち、長編漫画として成立

「はたらく細胞05」(清水茜)講談社

免疫系細胞たちの活躍を目にした
一般細胞は、
自分のつまらなさに
嫌気がさしていた。
そんなとき水路で溺れている
4匹の菌を見つけ、
保護してしまう。
それは白血球に見つかり、
回収されてしまうが、
そのとき胃ではピロリ菌が…。
(第20話 ピロリ菌)

ますます面白さをパワーアップさせる
漫画「はたらく細胞」
第5巻を読み終えました。
第5巻は読み応えがあります。
これまでの一話完結ではなく、
第20話から25話までが
一つの繋がりを持ち、
長編漫画として成立しています。
第20話で一般細胞が保護した
4匹の菌(実は乳酸菌)が、
それぞれのエピソードで
筋書きの転機をつくっていきます。

残る3匹の菌を連れて
腸にやってきた
一般細胞と白血球。
一匹は仲間と
合流させることができたが、
一匹が水路に流されてしまう。
捜索する二人の前にNK細胞と
インフルエンザウイルスが
現れる。
一方、行方不明の菌は
樹状細胞が…。
(第21話 抗原変異)

【登場人物(細胞・菌)一覧】
赤血球 白血球(好中球) 一般細胞
NK細胞 樹状細胞 記憶細胞
B細胞(抗体産生細胞)
メモリーT細胞 制御性T細胞
杯細胞 腸管上皮細胞 がん細胞
乳酸菌 善玉菌 日和見菌
悪玉菌 ピロリ菌
インフルエンザウイルス   

抗原変異したインフルエンザ
ウイルスに対して、
白血球とNK細胞の攻撃は
まったく通用しなかった。
それどころかNK細胞は
ストレスによって
弱体化してしまう。
絶体絶命の場面に現れた
樹状細胞は、
保護した乳酸菌の力を使って…。
(第22話 サイトカイン)

一匹目の乳酸菌は乳酸を放出して
ピロリ菌にダメージを与え、
二匹目はプリン体を食べることにより
体内を清浄化します。
三匹目の乳酸菌の生み出す多糖体は
樹状細胞を活性化させ、
四匹目は他の三匹を引き連れ、
善玉菌として活躍し、
役立っているのです。

乳酸菌最後の一匹を
腸まで送り届ける一般細胞。
しかしその行く手を
謎の悪玉菌が遮る。
一方、白血球とNK細胞は、
メモリーT細胞と合流し、
潜んでいる「敵」の捜索に当たる。
NK細胞が探している「敵」とは、
なんと「がん細胞」だった…。
(第23話 悪玉菌)

これまでは免疫系細胞たちが
人間の身体を守る場面ばかりが
描かれてきたのですが、
実は私たちは、体内にすむ
いろいろな細菌と共生していることに
気づかされます。

がん細胞を追い詰める
白血球・NK細胞・メモリーT細胞。
手の内を知り尽くした
三人にとって相手は
造作もないはずだった。
しかし制御性T細胞が現れ、
がん細胞を防御する。
一方、腸内では一般細胞が
体を張って乳酸菌を守り抜く…。
(第24話 がん細胞Ⅱ「前編」)

そしてストーリーは最後に
ラスボス的存在として
がん細胞が登場します。
がん細胞vs免疫系細胞の戦いは
2度目(第8・9話)ですが、
そこに制御性T細胞を加えることにより
戦いを一段進化させています。

腸内では守り抜いた乳酸菌が、
善玉菌の仲間を引き連れ、
悪玉菌を征圧する。
腸内環境が正常に戻ったのだ。
一方、がん細胞は増殖し、
ますます力を得る。
追い詰められた三人だったが、
メモリーT細胞の
最伝説の最強奥義が炸裂し…。
(第25話 がん細胞Ⅱ「後編」)

ますます面白い「はたらく細胞」。
いよいよ第6巻を残すのみとなりました。
近々読んで取り上げたいと思います。

(2021.11.18)

swiftsciencewritingによるPixabayからの画像

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