「刺青・秘密」(谷崎潤一郎)
谷崎の作品世界の起点として 「刺青・秘密」(谷崎潤一郎)新潮文庫 「刺青」刺青師清吉は、美しい女の肌に自分の魂を彫り込むことを念願としていた。ある日、清吉は五年前に見つけた美しい脚の女と再び巡り会う。女を言葉巧みに誘い、...
谷崎の作品世界の起点として 「刺青・秘密」(谷崎潤一郎)新潮文庫 「刺青」刺青師清吉は、美しい女の肌に自分の魂を彫り込むことを念願としていた。ある日、清吉は五年前に見つけた美しい脚の女と再び巡り会う。女を言葉巧みに誘い、...
谷崎文学の一つのマイルストーン 「富美子の足」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅣ」)中公文庫 「富美子の足」(谷崎潤一郎)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 画学生の「僕」は、遠い親戚にあたる塚越老人の世話にな...
忘れてならないのは「評論・随筆等」 「1925年執筆の評論・随筆等」(横溝正史)(「横溝正史探偵小説選Ⅰ」)論創社 一週間に一度か二度私は屹度古本屋廻りをやる。そして三の宮辺の古本屋に、山のように積上げてある外国の古雑誌...
SF作家と探偵作家の、運命のコラボレーション 「少年探偵長」(海野十三・横溝正史)(「横溝正史少年小説 コレクション⑦南海囚人塔」)柏書房 山中で助け起こした老人は、春木少年に自らの義眼を手渡す。その直後に現れた怪ヘリ...
「アグイー」はいったい何の暗喩なのか? 「空の怪物アグイー」(大江健三郎)(「空の怪物アグイー」)新潮文庫 「空の怪物アグイー」(大江健三郎)(「日本文学100年の名作第6巻」) 新潮文庫 作曲家Dの付添いというアルバイ...
「諦めない」とはこういうレベルのことだよ 「十二番目の天使」(マンディーノ/坂本貢一訳)求龍堂 妻と一人息子を突然の事故で失ったジョン。生きる希望を失いかけたとき、親友・ビルが持ってきたのはリトルリーグ監督就任の話だった...
テーマ別お薦め本8冊File-002 「雪」は限りないロマンを人間に与える 「雪のひとひら」(ギャリコ) ある寒い日に生まれた「雪のひとひら」。地上に舞い降りたときから彼女の長い旅が始まった。伴侶となる「雨のしずく」との...
甥の存在をどう解釈すればいいのか? 「くるみ割り人形とねずみの王さま」(ホフマン/大島かおり訳)(「くるみ割り人形と ねずみの王さま/ブランビア王女」) 光文社古典新訳文庫 クリスマスプレゼントのくるみ割り人形に魅せら...
興味を引く素材がいくつも使われています 「三年の命」(横溝正史)(「双生児は囁く」)角川文庫 篠山博士と川治三郎が介抱した青年は、この上ない美貌を持っていたが、その足はまるで赤子のようだった。篠山博士はその足を「いまだか...
これこそ横溝ジュヴナイルの真骨頂です。 「南海囚人塔」(横溝正史)(「横溝正史少年小説 コレクション⑦南海囚人塔」)柏書房 速雄と勇二の乗った上海丸は、二三百年前のものと思われる漂流船と遭遇する。夥しい白骨、一箱の財宝...