「還暦からの底力」(出口治明)
これからの生き方を考えるための一冊 「還暦からの底力」(出口治明) 講談社現代新書 私はまもなく56歳となります。退職まであと4年だったのですが、公務員の定年が延長となり、私の場合は64歳まで働けるようになりました。ただ...
これからの生き方を考えるための一冊 「還暦からの底力」(出口治明) 講談社現代新書 私はまもなく56歳となります。退職まであと4年だったのですが、公務員の定年が延長となり、私の場合は64歳まで働けるようになりました。ただ...
だからこそ抜群の面白さなのです 「タイム・マシン」(H・G・ウェルズ/阿部知二訳)(「タイム・マシン」)創元SF文庫 泥だらけのまま「わたし」たちの前に姿を見せたタイム・トラベラー。彼は先週披露したタイム・マシンを完成さ...
描かれるポアロとヘイスティングズの横顔 「ゴルフ場殺人事件」(クリスティ/田村義進訳) ハヤカワ文庫 「事態は急を要しています」。フランス滞在中の富豪ルノーからの依頼状を受け取ったポアロが到着したときには、すでに依頼主は...
身近にありそうな、なんともいえないおかしみ 「軽石」(木山捷平)(「日本文学100年の名作第6巻」) 新潮文庫 焚火に凝っていた正介は、燃えかすの中から拾い集めた鉄釘を、ある日、屑屋に売り払う。しかしそれは三円にしかなら...
四半世紀ぶりに再読してもやはり面白い 「サッカーボール型分子C60」(山崎昶)講談社ブルーバックス 「C60」といっても蒸気機関車ではありません。炭素がサッカーボール型に並んだ分子「C60」です。 そういっても化学に興味...
祝・横溝正史生誕120年、作品世界はここから始まった 「恐ろしき四月馬鹿(作品集)」(横溝正史)角川文庫 「恐ろしき四月馬鹿」中学校の寄宿舎の一室に寝ていた葉山は夜中に目覚め、驚いた。同室の栗岡が血のついた短刀を行李の中...
まさに横溝の前に横溝なし、横溝のあとに横溝なし 「横溝正史読本」(横溝正史・小林信彦編)(「横溝正史エッセイコレクション②」) 柏書房 「横溝正史読本」(横溝正史・小林信彦編)角川文庫 これらの対談が圧巻であると思うのは...
有吉作品もまた、時代を超えて受け継がれるべき 「まっしろけのけ」(有吉佐和子)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 日本舞踊を習っている大学生・耀子は、初舞台の楽屋で顔師の源吉と出会い、その技術に感銘を受ける。その...
書かれざるその決着に向けられた期待の大きさ 「神州纐纈城」(国枝史郎) 講談社大衆文学館文庫 造顔師・月子のもとに現れた源之丞・園女は、ある男の追跡から逃れるために顔を醜く変えてくれと依頼する。二人に術を施す月子は、数奇...
だからこそ未完であるのに面白い 「神州纐纈城」(国枝史郎) 講談社大衆文学館文庫 ある夜、土屋庄三郎は、怪老人から深紅の布を売りつけられる。それを月光にさらすと、そこには十六年前失踪した父・庄八郎の文字が浮かび上がる。そ...