「恐ろしき五分間」「婚姻」「紳士三人」(黒岩涙香)
サスペンス、メロドラマ、コント。充溢する涙香の面白さ。 「恐ろしき五分間」「婚姻」「紳士三人」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 わずか五分間と言えばいと短きことなれど、余はその恐ろしさを生涯忘れ得ず。ただ五...
サスペンス、メロドラマ、コント。充溢する涙香の面白さ。 「恐ろしき五分間」「婚姻」「紳士三人」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 わずか五分間と言えばいと短きことなれど、余はその恐ろしさを生涯忘れ得ず。ただ五...
注目すべきは、師弟の生き方のちがい 「幻の百花双瞳」(陳舜臣)(「日本文学100年の名作第6巻」) 新潮文庫 「幻の百花双瞳」(陳舜臣)(「幻の百花双瞳」)角川文庫 広東生まれの中華料理人・丁祥道は、神戸の楊朝堅に弟子入...
魂は周囲と決して響き合ってはいない 「百年文庫013 響」ポプラ社 「ベートーヴェンまいり ヴァーグナー」ベートーヴェンを崇拝する青年音楽家である「私」は、ガロップやポプリを書いて得た資金で、ついにウィーンへ...
図書館を、徹底的に使い倒すための指南書 「図書館に訊け!」(井上真琴) ちくま新書 図書館は人類の知的遺産を継承するために生き延びてきた文化制度であり、歴史と伝統の息づいた機関なのである。まずは等身大のあなたのままで、体...
「土地の名前」に潜んでいるものの意味や価値 「鳥と雲と薬草袋/ 風と双眼鏡、膝掛け毛布」(梨木香歩) 新潮文庫 ひとはこんなにも分かち難く土地と結びついている。長い年月をかけて思いをかけられた地名は、ときに生きていくエネ...
金田一耕助の事件簿017 金田一を巻き込む磯川警部の常套手口 「鴉」(横溝正史)(「幽霊座」)角川文庫 「鴉」(横溝正史)(「消すな蠟燭」)出版芸術社 保養を楽しもうと訪れた湯治場で、金田一は同行した磯川警部から意外な話...
騙される金田一、悔しがる金田一 「鞄の中の女」(横溝正史)(「金田一耕助の冒険」)角川文庫 自動車のトランクからはみ出ていた人間の脚。それは警察の捜査で石膏像であることが判明した。しかし、石膏像の持ち主を知る人物から「不...
お墓の中くらい、伸び伸びとさせてほしい 「石の話」(黒井千次)(「日本文学100年の名作第7巻」) 新潮文庫 「お金持ちになったら買ってもらう」。誕生石・ダイヤの入った指輪を贈るという婚約時の約束を思い出したFは、宝石店...
病と向き合う子規の姿が映し出されている 「飯待つ間」「病」(正岡子規)(「百年文庫031 灯」)ポプラ社 「飯待つ間」「病」(正岡子規)(「飯待つ間」)岩波文庫 大連湾より帰りの船の中で、下等室で寝ていたらば、鱶が居る、...
自分を「つくる」「鍛える」「広げる」ための読書 「読書力」(齋藤孝)岩波新書 「娯楽のための読書」ではなく、「多少とも精神の緊張を伴う読書」がテーマだ。ちょっときついけれども楽しい。この感覚を読書で子どもたちに味わっても...