「黒縮緬の女」(西条八十)
西条八十を見る目が変わってしまいました 「黒縮緬の女」(西条八十)(「百年文庫041 女」)ポプラ社 おもいでは風のように来る。今朝浅草神社奉賛会から三社祭への招待状を貰った。それを広げて読んでいるうちに、ふと忘れていた...
西条八十を見る目が変わってしまいました 「黒縮緬の女」(西条八十)(「百年文庫041 女」)ポプラ社 おもいでは風のように来る。今朝浅草神社奉賛会から三社祭への招待状を貰った。それを広げて読んでいるうちに、ふと忘れていた...
文学と文化から台湾に接近する、その手法 「台湾の歴史と文化」(大東和重) 中公新書 一九八〇年代に至り、この地に生を受けた人々が、この地の主役となる時代がようやく訪れた。流された血と涙、はかり知れない勇気と知恵があって、...
ここにドラマなど必要ない 「門」(夏目漱石)新潮文庫 同じ六年の歳月を挙げて、互の胸を掘り出した。彼らの命は、いつの間にか互の底にまで喰い入った。二人は世間から見れば依然として二人であった。けれども互から云えば、道義上切...
様々な配慮がなされたジュヴナイル仕様 「蜘蛛男(少年探偵版)」(江戸川乱歩) ポプラ社 絹枝の目の前で腕の石膏像を叩き割った黒柳探偵。そこに現れたのは女性の遺体の腕の部分だった。それは行方不明となっている絹枝の妹・芳枝の...
進化した化け物キャラ、確定した乱歩路線 「蜘蛛男」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第5巻」) 光文社文庫 絹枝の目の前で腕の石膏像を叩き割った畔柳探偵。そこに現れたのは女性の遺体の腕の部分だった。それは行方不明となってい...
「老いの寂しさ」を考えさせられる一篇 「半日の放浪」(高井有一)(「日本文学100年の名作第8巻」) 新潮文庫 息子の家族と暮らす老後。これより良い解決策はなかったと思っている。私と息子と双方に対する妻の気遣いには、感謝...
子どもの心に戻って純真に物語を受け止めるべき 「花のささやき」(ジョルジュ・サンド/小椋順子訳)(「百年文庫018 森」)ポプラ社 花が雑然とおしゃべりをしているのを私は聞いたことがあります。私はその言葉を聞きわけられま...
天気予報はこのようにしてつくられていた! 「図解 天気予報入門」(古川武彦・大木勇人) 講談社ブルーバックス 天気図を用いて予報官が行う天気予報の手法は過去のものとなりました。「数値予想」とよばれるコンピュータによる天気...
母と子を結びつけているのは 「海辺の光景」(安岡章太郎)(「海辺の光景」)新潮文庫 精神を病んで入院している母親。その死期が近いという知らせを父から受けた信太郎は、すぐ東京から高知へと向かう。彼は父親とともに数日間を病室...
金田一耕助の事件簿073b 登場人物に見る横溝の改稿長篇化のプロセス 「渦の中の女」(横溝正史)(「金田一耕助の帰還」)光文社文庫 依頼人・緒方順子の持参した手紙には、恐ろしいまでの悪意が満ちていた。忌々しい告発文書が団...