「幽霊嬢」(横溝正史)
「事件」は、やはり時代を映し出しています 「幽霊嬢」(横溝正史)(「芙蓉屋敷の秘密」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑤」)柏書房 映画監督・山野のもとに奇妙な手紙が届く。彼の作品に出演した少年俳優が、数...
「事件」は、やはり時代を映し出しています 「幽霊嬢」(横溝正史)(「芙蓉屋敷の秘密」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑤」)柏書房 映画監督・山野のもとに奇妙な手紙が届く。彼の作品に出演した少年俳優が、数...
幻想小説の衣を着せて、その深奥に… 「生霊」(久生十蘭)(「墓地展望亭・ハムレット 他六篇」) 岩波文庫(「文豪怪談傑作選・昭和篇」) ちくま文庫 飛騨を訪れた画家松久三十郎は、畑の中で盆踊りを踊る、色気のある女と出くわ...
チコから叱られ…、いや、心を温めてもらって…。 「チコのはなし」(子母沢寛)(「愛猿記」)中公文庫(「百年文庫053 街」)ポプラ社 おときさんはびしょびしょにぬれた死にかかったような痩せた子イヌを一匹入れて戻ってきた。...
幽霊以上に恐ろしい「現実」がそれぞれ登場します 「レサカにて戦死」「チカモーガの戦い」(ビアス/小川高義訳)(「アウクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 われわれはブレイル中尉に対して、賞賛とともに好感を抱...
どう見ても「紳士」とはいいかねます 「赤い絹のショール」(ルブラン/堀口大學訳)(「ルパンの告白」)新潮文庫 「赤い絹の肩かけ」(ルブラン/井上勇訳)(「世界推理短編傑作集2」) 創元推理文庫 往来を歩きながらオレンジの...
描かれているはずなのですが…、ないのです 「第一の手紙~第四の手紙」(安部公房)(「題未定 安部公房初期短編集」) 新潮文庫(「安部公房全集001」)新潮社 見も知らぬ、聞きも知らぬ人に手紙を書くと言う、此の不可能に近い...
ミステリならではの興奮が高まったところで… 「別筵」(久米正雄)(「開化の殺人」)中公文庫 絹子は婚約者・信一を裏切り、その親友である俊夫と深い仲となっていた。その信一は上海へと転勤が決まり、二人は喜ぶ。しかし、信一の送...
「まともな働き方」を考える第一歩として 「就職とは何か」(森岡孝二)岩波新書 就職環境が悪化し、学生が弱い立場に置かれた。本書の課題は、学生の就職活動はいまどうなっているかという問いに、雇用の現場はどうなっているかという...
的を外す推理のホームズ、ナイスな一言のワトスン 「黄色い顔」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズの回想」) 光文社文庫 依頼人マンロウの願いは、妻への疑念を払拭して欲しいということだった。彼の妻・エフィーは、...
本作品集は、日本ミステリの源流に位置する 「潤一郎ラビリンスⅧ」(谷崎潤一郎) 中公文庫 「途上」会社を終えての帰宅途上で、湯川は私立探偵・安藤から声をかけられる。彼は近々結婚する予定の妻の実家からの身辺調査と思い、渋々...