「恐怖のベッド」(コリンズ)
安眠空間が「殺人マシン」と化す恐怖 「恐怖のベッド」(コリンズ/中島賢二訳)(「夢の女・恐怖のベッド 他六篇」) 岩波文庫 全身の血が凍り付いたような気がしました。私は枕の上で首を巡らし、絵の中の男に目を凝らすことで、本...
安眠空間が「殺人マシン」と化す恐怖 「恐怖のベッド」(コリンズ/中島賢二訳)(「夢の女・恐怖のベッド 他六篇」) 岩波文庫 全身の血が凍り付いたような気がしました。私は枕の上で首を巡らし、絵の中の男に目を凝らすことで、本...
読み手の心に静かに染み込む「空気感」 「家の中」(中里恒子)(「家の中」)講談社(「百年文庫081 夕」)ポプラ社 鳥獣蟲魚それぞれに、棲家をもつてゐる。それは一種のテリトリイであつて、他者が理由なく侵入したり、棲みこん...
大心池先生の切り拓いた「新たな探偵像」 「就眠儀式」(木々高太郎)(「ぷろふいる傑作選」)光文社文庫 大心池のもとを訪ねてきた学生・川本は、不眠症に悩んでいる親戚の娘について相談する。娘は毎晩就寝前に、時計類や刃物を新聞...
まるで古い銀塩写真を見ているような 「みずうみ/三色すみれ/ 人形使いのポーレ」(シュトルム) 光文社古典新訳文庫 フーズムという北海沿岸の小都市で、名士の家に生まれたシュトルムは、最終的には自らも郷土で人望を得て、知...
昭和十年代の外側に立つ女性・原田玉枝 「野の少女」(島木健作)(「赤蛙」)新潮文庫 政治家・池尻家の女中・原田玉枝は、家人たちのわがままな振舞いや無理難題の中で、それに負けずに生きてきた。しかしもう一人の女中なかまのカズ...
穏やかに追い詰める!円熟の老優名探偵・中村雅楽 「等々力座殺人事件」(戸板康二)(「等々力座殺人事件 中村雅楽と迷宮舞台」)河出文庫 裏日本のK市を訪れた中村雅楽と「私」は、近隣のR町の由緒ある劇場・等々力座で起きた殺...
起こるのは…、口論だけです。 「その夜の宿」(スティーブンスン/ 高松雄一・高松禎子訳)(「マーカイム・壜の小鬼 他五篇」) 岩波文庫 聖ヨハネ墓地に隣接する隠れ家に集まっていた悪党たち。そこでもめ事が起き、殺人沙汰...
オセロー、イアーゴー、エミリアの三人の人物像 「オセロー」(シェイクスピア/福田恆存訳) 新潮文庫 昇進できなかったことに不満を覚えたイアーゴーは、将軍オセローと副官キャシオーを逆恨みする。策謀を巡らせキャシオーを失脚さ...
共通するのは「滅びの美学」 「黒猫・アッシャー家の崩壊」(ポー/巽孝之訳)新潮文庫 一見ヨーロッパ的に見えるポー作品の随所に、彼の生きた南北戦争以前のアメリカ史が影を落としている。ポーがいったい何を書き何を隠したのか―そ...
すごい!「実はざんねんではなかった生き物事典」 「ウニはすごい バッタもすごい」(本川達雄)中公新書 体のつくりの異なる動物たちは、生きていくそれぞれの場面で、どうふるまえばいいのかも、何を求めるのがいいのかも異なってい...