「チョコレート工場の秘密」(ダール)
チョコレート工場の「毒」の味わい 「チョコレート工場の秘密」(ダール/柳瀬尚紀訳)評論社 貧しいチャーリーが何よりも食べたかったのはチョコレート。家の近くには世界で最も大きい謎のチョコレート工場がある。その工場が、五人の...
チョコレート工場の「毒」の味わい 「チョコレート工場の秘密」(ダール/柳瀬尚紀訳)評論社 貧しいチャーリーが何よりも食べたかったのはチョコレート。家の近くには世界で最も大きい謎のチョコレート工場がある。その工場が、五人の...
「未来とは誰がつくるものなのか」という「問い」 「つくられた明日」(眉村卓)角川文庫 11月1日以降が空白となっている「未来予告」。本を手にした誠一は驚愕する。もしかしたら自分は死を宣告されたのかもしれない。謎の人物たち...
芥川自身の「悲劇的帰結」の予兆 「好色」(芥川龍之介)(「羅生門・鼻」)新潮文庫(「芥川龍之介全集4」)ちくま文庫 眼の前には、時鳥を描いた筥が一つ、はっきり空中に浮き出している。おれの命の助かるのも、侍従と一生の別れを...
前作の「恋愛」「成長」を超えた、「社会改革」の情熱 敵殿先生を「敵」と呼ぶ私のばかげた流儀をやめてもらえると幸甚だとおっしゃるのですね?では、些細なことがうまくいかなくなった途端、先生が怒り出したり口汚くなったり、侮蔑的...
「社会派ミステリ」「本格推理ロマン」「愛憎メロドラマ」 「ゼロの蜜月」(高木彬光)角川文庫 親の反対を押し切り、愛する塚本義宏と結婚式を挙げた悦子。しかしその幸せもつかの間、新婚初夜の直前、夫・義弘は失踪、翌朝、死体で発...
悲劇を冷徹に見つめる観察視線 「百年文庫095 架」ポプラ社 〔はじめに〕百年文庫第95巻を読了しました。収録三作品は、いずれも日常の枠組みを超えた異常事態や極限状態を扱っています。「伝説」では「人間消失」(河童消失?)...
「削ぎ落とす美学」が生み出した芸術的達成 「昆虫図」(久生十蘭)(「久生十蘭集 ハムレット」) ちくま文庫 …フト畳の上を見ると、乾酪の中で見かけるあの小さな虫が、そこらいちめんウジョウジョと這い廻っていた。いま二人が坐...
「密室犯罪」「人間消失」「犯人設定」すべてにおいて革新的 「黄色い部屋の謎」(ルルー/平岡敦訳) 創元推理文庫 深夜に令嬢のただならぬ悲鳴と銃声を聞きつけた博士は、使用人とともに寝室に向かう。鍵のかかっていたドアを破ると...
「境界」の中で揺らめいている 「高野聖」(泉鏡花)(「歌行燈・高野聖」)新潮文庫(「泉鏡花集成4」)ちくま文庫 地体並のものならば、嬢様の手が触ってあの水を振舞われて、今まで人間でいよう筈はない。谷川から上って来さしった...
「狂気」を誰に向けて発信しているのか? 「狂人の手記」(ディケンズ小池滋訳)(「ディケンズ短篇集」)岩波文庫 そうだ!狂人の手記なのだ!何年も前は、狂人という言葉を聞いただけで、おれの心臓はどきんとしたものだ!だが、今で...