「割符帳」(アラルコン)
ブスカベアタ爺さんの警察顔負けの捜査 「割符帳」(アラルコン/会田由訳)(「三角帽子 他二篇」)岩波文庫(「百年文庫093 転」)ポプラ社 ブスカベアタ爺さんが丹念に育てた南瓜は、収穫を迎えた朝、何者かに盗まれ、畑から消...
ブスカベアタ爺さんの警察顔負けの捜査 「割符帳」(アラルコン/会田由訳)(「三角帽子 他二篇」)岩波文庫(「百年文庫093 転」)ポプラ社 ブスカベアタ爺さんが丹念に育てた南瓜は、収穫を迎えた朝、何者かに盗まれ、畑から消...
子どもにとっては優しすぎ、大人にとっては難しすぎる 「長くつ下のピッピ」(リンドグレーン/尾崎義訳) 講談社文庫 長い細い足には、長くつ下をはいていましたが、片方が茶色で、片方は黒でした。それに、じぶんの足の倍くらいもあ...
何を「巡」るのか?日常とは異なる、幻想的な世界 「百年文庫054 巡」ポプラ社 「アトランティス物語 ノヴァーリス」年老いた国王によって大切に育てられた美しい姫は、そのあまりの高貴さゆえ、婿になるべき王子が...
詩人ベッケルの、詩のような「ものがたり」 「枯葉」(ベッケル/高橋正武訳)(「碧の瞳・月影 他十二篇」)岩波文庫(「百年文庫054 巡」)ポプラ社 「あの女のひとも、人の世から離れていったのね。あの新しいお墓のなかで眠っ...
波頭に立たされたとき、人はどう生きるべきか 「百年文庫048 波」ポプラ社 「俊寛 菊池寛」それは、彼が鹿ヶ谷の山荘で飲んだ如何なる美酒にも勝って居た。彼がその清冽な水を味って居る間は、清盛に対する怨みも、島に、ただ一人...
突如として運命は敵意をあらわにし 「燈台守」(シェンキェヴィチ/吉上昭三訳)(「百年文庫048 波」)ポプラ社 わたしはくたくたに疲れ、なにがなんだかさっぱりわかりません。おわかりのように、いろんな目に会ってまいりまして...
わずか9頁、息詰まる筋書きが超スピーディに展開 「流されて」(キロガ/田中志保子訳)(「百年文庫045 地」)ポプラ社 男は何かやわらかい物を踏みつけた。と、すぐに足にかみつかれたのが分かった。前の方へ跳んで、悪態をつき...
この物語から何を学び取ればいいのか 「羊飼イエーリ」(ヴェルガ/河島英昭訳)(「カヴァレリーア・ルスティカーナ」) 岩波文庫(「百年文庫045 地」)ポプラ社 誠実な仕事ぶりが認められた羊飼いイエーリは一人前の生活ができ...
命を燃やし尽くしたかのような人物の「生涯」 「百年文庫022 涯」ポプラ社 「異父兄弟 ギャスケル」不器用で学業も仕事も上手くこなせない兄・グレゴリー。家族から冷ややかな目で見られる彼を、弟の「私」も同じように見下した態...