中学校1年生に薦めたい本100冊vol.5 8月

夏休みはちょっと長編小説に挑戦

あともう何日かで夏休みです。
夏休みと言えば、
各出版社とも文庫本のフェアを
大々的に行う時期です。
でも、ここ数年
「○○文庫の100冊」などの
顔ぶれを見ても、
つまらないものが多いと感じます。
しかも、名作がどんどん
少なくなっていく傾向にあります。

などと愚痴をこぼすよりも、
こちらから夏の読書本を
紹介してしまいましょう。
と言っても
目新しいものではありません。
夏休みこそ、
名作に向き合ってほしいと思うのです。
中学校1年生では、明治の文豪は
まだちょっと難しいでしょうから、
戦後から昭和期にかけて活躍した
日本人作家と、
おなじみの海外文学の名作を
計9冊セレクトしました。

その1
「ユタとふしぎな仲間たち」
 (三浦哲郎)

東京から東北の寒村に
移り住んだユタは、
村の子どもたちから
「もやしっ子」とあだ名され、
なかなかなじめずにいた。
唯一助けてくれるのは
女の子の小夜だけ。
そんな中で出会った
座敷わらしたちが
ユタを不思議な世界へと誘う…。

その2
「だれも知らない小さな国」
 (佐藤さとる)

「ぼく」は幼い頃、
自分だけの小山を見つけ、
そこが大好きになる。
ある日、小川を流れる靴の中で、
小指ほどしかない小さな人間が
手を振っているのを見る。
大人になった「ぼく」は、ついに
小人=コロボックルと遭遇する…。

その3
「算法少女」(遠藤寛子)

父・千葉桃三から
算法の手ほどきを受けていた
町娘あきは、ある日、
観音さまに奉納された算額に
誤りを見つけ声を上げた。
それを聞き及んだ
久留米藩主・有馬候は、
あきを姫君の
算法指南役にしようとするが、
なにやら騒動が…。

その4
「マイマイ新子」(高樹のぶ子)

新子は9歳の女の子。
額の真上のつむじによって
立ち上がる髪「マイマイ」は、
アンテナのようにいつも何かを
キャッチしている。
同級生のシゲルや貴伊子、
妹の光子とともに、
今日も野原を駆けていく新子。
彼女の目に映るものは…。

その5
「船乗りクプクプの冒険」(北杜夫)

宿題に飽きたタローが
手を伸ばした一冊の本
「船乗りクプクプの冒険」、
それはたった2頁しか
文章が載っていなかった。
キタ・モリオとは
なんてひどい作家だ、と
憤慨したタローはめまいを感じ、
眠りに落ちる。
気が付くとタローは…。

その6
「ピーター・パンとウェンディ」
 (バリー)

フック船長との対決を終えた
ピーター・パンと仲間たちは、
ウェンディ、ジョン、
マイケルの姉弟を
ロンドンの家に送りかえす。
パンの仲間4人は
ダーリング家の子どもとして
育つことを望むが、
パンはそれを断り、
空へと消えた…。

その7
「小公女」(バーネット)

資産家の父をもつセーラは、
7歳の頃、ロンドンの
女子学院に入学する。
特別寄宿生となった彼女は、
聡明で心優しい性格のため、
学院の人気者となる。
しかし10歳の頃、
事業を営んでいる父親の訃報と
事業破綻の知らせが届き…。

その8
「ガラスの靴」(ファージョン)

彼女は地下室の部屋に
押し込まれ、
朝から晩まで働かされていた。
お城から舞踏会の
招待状が届くが、
彼女は留守番を命じられる。
「まま母」と二人の姉が
お城へ出かけるのを見て
彼女は悲しむ。
彼女は「シンデレラ」と
呼ばれていた…。

その9
「トム・ソーヤーの冒険」
 (トウェイン)

勉強嫌いの少年・トムは、
学校の中では
多くの男友達と腕白ぶりを発揮し、
学校が終わると
町の浮浪児・ハックとともに、
数々のいたずらをしでかす毎日。
ある夜二人が墓場に忍び込むと、
あろうことか
殺人事件を目撃してしまう…。

全作品、子どもが読んで
もちろん面白いのですが、
大人が読んでも
十分面白い作品ばかりです。
「こんなもの子ども向けだろ」などと
言わず、まず大人の貴方が
読んでみて下さい。
さあ、この一冊から
今年の夏の読書を
始めようではありませんか!

(2020.7.15)

CandicePによるPixabayからの画像

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