「スマラ(夜の霊)」(ノディエ)
夢の中で揺らいでいく自我を疑似体験 「スマラ(夜の霊)」(ノディエ/篠田知和基訳)(「ノディエ幻想短篇集」)岩波文庫 人の想像力は眠っているあいだに、その自由で孤独な魂の力によって、精霊たちの至福に参加する。魂は彼らとと...
夢の中で揺らいでいく自我を疑似体験 「スマラ(夜の霊)」(ノディエ/篠田知和基訳)(「ノディエ幻想短篇集」)岩波文庫 人の想像力は眠っているあいだに、その自由で孤独な魂の力によって、精霊たちの至福に参加する。魂は彼らとと...
ミステリを超えて愛情物語へと昇華していく 「境遇」(湊かなえ)双葉文庫 生まれてすぐ親に捨てられたという「境遇」を持つ二人、陽子と晴美は親友どうしとして家族以上のつながりを持っていた。ある日、陽子の五歳になる息子が誘拐さ...
否応なく事件に巻き込まれてしまうのです 「隠れた手」(甲賀三郎)(「盲目の目撃者」)春陽文庫 事情があって東洋ホテルの一室に入り込んでしまった「私」は、望まぬ結婚に関わる父と娘の、隣室での会話を盗み聴いてしまう。廊下への...
「生きる」ことの意味を問い直す 「いのちの初夜」(北條民雄)(「いのちの初夜」)角川文庫 「いのちの初夜」(北條民雄)(「百年文庫068 白」)ポプラ社 「いのちの初夜」(北條民雄)(「日本近代短篇小説選 昭和篇1」) ...
シェイクスピア作品のエッセンスを堪能する 「シェイクスピア物語」(ラム/矢川澄子訳)岩波少年文庫 海のなかの、とある島です。住民は二人きりで、プロスペロという老人と、その娘のミランダという、なかなかきれいな乙女でした。ミ...
つまり「ヤング・シャーロック」を味わう 「グロリア・スコット号」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズの回想」) 光文社文庫 ホームズが「わたし」に見せた短い手紙、それはまったく意味をなさない文章だった。しかし...
表題「未必の故意」の指し示すものは何か? 「未必の故意」(安部公房)(「緑色のストッキング・未必の故意」) 新潮文庫 島のヤクザ者・江口が深夜、島民たちに撲殺される。島民の多くが彼の被害に遭っていたのだ。駐在の不在を狙っ...
豊富な写真が語る、戦争の実態 「戦争を止めたい」(豊田直巳) 岩波ジュニア新書 不運を呪うべきでしょうか。それとも、この世の地獄を自分の目で見ることを幸運と呼ぶべきでしょうか。私は連日の空爆にさらされるバグダッドの街を、...
探偵小説初のトロイカ体制による事件捜査 「血の文字」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 「余」が隣室の目科に付き従って向かったのは、殺人の現場だった。そこには財産持ちの老人が何者かに刺し殺され、さらに血で書か...
「不登校」にはまだまだ大きな可能性がある 「不登校でも大丈夫」(末富晶) 岩波ジュニア新書 不登校と言うと学校に行っていないその間が何の経験もない「0」の時間だと捉えられることも多いのですが、当然のことながらそんなことは...