「教室二〇五号」(大石真)
彼らは教室二〇五号でいったい何を見つけるのか? 「教室二〇五号」(大石真)実業之日本社 友だちと諍いを起こし、授業をサボった六年生の友一は、物置小屋の中に不思議な地下室を見つける。恐る恐るのぞいてみると、中には二年生の明...
彼らは教室二〇五号でいったい何を見つけるのか? 「教室二〇五号」(大石真)実業之日本社 友だちと諍いを起こし、授業をサボった六年生の友一は、物置小屋の中に不思議な地下室を見つける。恐る恐るのぞいてみると、中には二年生の明...
全篇に竹中英太郎の妖しげな挿絵が満載 「青蛇の帯皮」(森下雨村)(「挿絵叢書 竹中英太郎(二)」)皓星社 かつては全国に及ぶまで、梟名高く夢魔のごとく世人を脅かした「幽霊盗賊」百面相の鮫崎仙助が忽焉として消え去ってから幾...
それらを失ってしまった令和の現代こそ 「四月になれば彼女は」(川上健一) 集英社文庫 あの卒業式の三日後の一日こそがターニングポイントでありエポックメーキングなのだと強く思えるのだ。十八歳の、まだ坊主頭の、冬も終わりに近...
すっきりしたリライト、その「減量」が効果を発揮 「魔術師(少年探偵版)」(江戸川乱歩) ポプラ社 実業家の福田のもとに届く連続数字は殺人予告か!?厳重な警戒の網をかいくぐって凶行は行われた。警備の巡査とともに甥の二郎が寝...
明智、まさかの誘拐そして死亡 「魔術師」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第6巻」)光文社文庫 実業家の福田のもとに届く連続数字は殺人予告か!?厳重な警戒の網をかいくぐって凶行は行われた。警備の巡査とともに甥の二郎が寝室を...
成長した二人に出会える物語 「ミカ×ミカ!」(伊藤たかみ)文春文庫 最近、ミカのようすがおかしい。そう感じていたユウスケは、ヒロキから「ミカが畑山に告白してふられた」ことを聞く。複雑な感情を抱くユウスケだったが、同じクラ...
ジュヴナイルとエログロの二作品、でもテイストは… 「江戸川乱歩全集第10巻 大暗室」(江戸川乱歩)光文社文庫 怪人対名探偵というパターンは、これまで何度も試みてきた設定である。明智小五郎はすでに有名になっていたし、小林と...
「僕」のつぶやきは何に対してのものなのか? 「憎悪」(安部公房)(「題未定 安部公房初期短編集」) 新潮文庫(「安部公房全集001」)新潮社 さて、更めて言うが僕が憎んだように僕は君から憎まれた。そのことについて君は何時...
つながる「鎌倉文庫」「篠川母子」「シリーズ全篇」 「ビブリア古書堂の事件手帳Ⅳ」(三上延)メディアワークス文庫 資産家のガーデン・パーティを訪れた篠川大輔・栞子夫妻。しかしその娘・扉子、そして栞子の母・智恵子も同時に招か...
金田一が登場せずともやはり傑作 「車井戸は何故軋る」(横溝正史)(「車井戸は何故軋る」)東京創元社(「横溝正史探偵小説 コレクション③」)出版芸術社 K村の名家・本位田家の長男・大助が、両眼を失った状態で戦地から帰還し...