「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」(黒岩涙香)
日本ミステリ史の原点ともいえる作品集 「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」(黒岩涙香) 論創社 世の人情を穿ち事理を明らかにするものは小説なり。而して小説にもその種類甚だ多くして一概に述べ尽くし難しといえども、多くは淫奔の情態を説く...
日本ミステリ史の原点ともいえる作品集 「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」(黒岩涙香) 論創社 世の人情を穿ち事理を明らかにするものは小説なり。而して小説にもその種類甚だ多くして一概に述べ尽くし難しといえども、多くは淫奔の情態を説く...
好男子と若夫人の恋愛遊戯の行方は…? 「いたずらな恋」(横溝正史)(「空蟬処女」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑥」)柏書房 自他共に認める好男子の磯部富郎は、音楽会で近づきになった五十嵐夫人から、自宅...
終わってみれば本格探偵小説 「探偵小説」(横溝正史)(「日本探偵小説全集9横溝正史集」) 創元推理文庫(「刺青された男」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション③」)柏書房 N駅の待合室で汽車を待つ「あたし」の...
三色のレーンコート、この巧妙なトリック 「かめれおん」(横溝正史)(「刺青された男」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション③」)柏書房 親愛なる狭山耕作様。あの事件について、お互いに腹蔵のない意見を吐きあい、...
王道回帰へ、美術品を盗み出す二十面相 「夜光人間」(江戸川乱歩)ポプラ社 「夜光人間」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第21巻」)光文社文庫 全身が銀色に光り、燃えるような真っ赤な目と口を持つ怪人・夜光人間。東京に現れた...
この横溝らしからぬ作品、実は… 「身替わり花婿」(横溝正史)(「誘蛾燈」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション④」)柏書房 紳「こら、起きろ」言われてハッと眼を覚ましたアーサー、また巡回のお巡りさんかと思っ...
さまざまなドラマが創り出される「街」 「百年文庫053 街」ポプラ社 「感傷の靴 谷譲次」ああ、ヘンリイも日本人、俺も日本人――遠く故国を離れて二十有余年、ふわふわとその日を送っているように見えても、俺たちは矢張り日本人...
「オリジナル版」。何が異なるか 「死仮面(オリジナル版)」(横溝正史) 春陽文庫 「デスマスクって、本当に死んでからでないととれないものでしょうか」。金田一のもとを訪れた依頼者はそう語った後、一つのデスマスクを取り出した...
さすが横溝、時代エンターテインメントでも魅せてくれる 「矢柄頓兵衛戦場噺」(横溝正史) 春陽文庫 ちかごろつらつら世の中を見渡すに、慨嘆に耐えぬことばかりじゃ。わが矢柄一族にさような不心得者があろうとは思わぬ。思わぬがこ...
「事件」は、やはり時代を映し出しています 「幽霊嬢」(横溝正史)(「芙蓉屋敷の秘密」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑤」)柏書房 映画監督・山野のもとに奇妙な手紙が届く。彼の作品に出演した少年俳優が、数...