「幽霊嬢」(横溝正史)
「事件」は、やはり時代を映し出しています 「幽霊嬢」(横溝正史)(「芙蓉屋敷の秘密」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑤」)柏書房 映画監督・山野のもとに奇妙な手紙が届く。彼の作品に出演した少年俳優が、数...
「事件」は、やはり時代を映し出しています 「幽霊嬢」(横溝正史)(「芙蓉屋敷の秘密」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑤」)柏書房 映画監督・山野のもとに奇妙な手紙が届く。彼の作品に出演した少年俳優が、数...
味わいどころは慎介の冒険、静馬の暗躍、千絵の決断 「佝僂の樹」(横溝正史)(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑥」)柏書房(「青い外套を着た女」)角川文庫 転落したバスで唯一生き残った慎介は、同乗していた青年からの遺...
娯楽的要素の背後にある「日本人とは何か」 「感傷の靴」(谷譲次)(「百年文庫053 街」)ポプラ社 ああ、ヘンリイも日本人、俺も日本人――遠く故国を離れて二十有余年、ふわふわとその日を送っているように見えても、俺たちは矢...
怪しい人物はただ一人だけ、横溝の新機軸 「猟奇の始末書」(横溝正史)(「七つの仮面」)角川文庫 「猟奇の始末書」(横溝正史)(「青蜥蜴」)双葉社 白浜海岸にある洋画家・三井の別荘に遊びに来ていた金田一は、外の海に向けられ...
欧米のミステリを「翻案」の名の下に「日本仕様」へ 「電気」「広告」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 時は八月の中旬午後三四時と言えば暑き盛りなるべし。殊に昼の頃より天に蒲団のごとき雲広がりて風の道を塞ぎ、今...
女子高生名探偵、白井澄子の冒険 「死仮面(完全版)」(横溝正史)(「死仮面」)春陽文庫 「デスマスクって、本当に死んでからでないととれないものでしょうか」。金田一のもとを訪れた依頼者はそう語った後、一つのデスマスクを取り...
表題だけで終わればいいのですが…。 「あしたは戦争 巨匠たちの想像力・戦時体制」 ちくま文庫 いつはじまっていつ終わるのかも、誰がはじめて誰が得するのかもわからない戦争。人々は先が見えない不安の中で右往左往するしかなく...
別物になりながらも魅力はパワーアップ 「江戸川乱歩全集第11巻 緑衣の鬼」(江戸川乱歩)光文社文庫 前夜、怪しい「影」に襲われた笹本夫妻を見舞いに来た折口は、夫・静雄の遺体を発見する。扉を破って書斎へ入った折口だったが、...
作品と作者・横溝に、より接近することができる 「不死蝶(雑誌連載版)」(横溝正史)(「横溝正史探偵小説選Ⅴ」)論創社 信州射水を訪れたブラジルの大富豪の養女・マリ。彼女の母は23年前にこの地で鍾乳洞殺人事件を起こした女・...
圧倒的なビジュアルの力で迫り来る横溝正史像 「探偵小説の鬼 横溝正史」平凡社 圧倒的な筆力で都会風コント、耽美趣味の物語、冒険活劇、捕物帳、伝奇ロマン、本格探偵小説など、時代が求める創作を発表し続けた作家・横溝正史。日本...