「矢柄頓兵衛戦場噺」(横溝正史)
さすが横溝、時代エンターテインメントでも魅せてくれる 「矢柄頓兵衛戦場噺」(横溝正史) 春陽文庫 ちかごろつらつら世の中を見渡すに、慨嘆に耐えぬことばかりじゃ。わが矢柄一族にさような不心得者があろうとは思わぬ。思わぬがこ...
さすが横溝、時代エンターテインメントでも魅せてくれる 「矢柄頓兵衛戦場噺」(横溝正史) 春陽文庫 ちかごろつらつら世の中を見渡すに、慨嘆に耐えぬことばかりじゃ。わが矢柄一族にさような不心得者があろうとは思わぬ。思わぬがこ...
「事件」は、やはり時代を映し出しています 「幽霊嬢」(横溝正史)(「芙蓉屋敷の秘密」)角川文庫(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑤」)柏書房 映画監督・山野のもとに奇妙な手紙が届く。彼の作品に出演した少年俳優が、数...
味わいどころは慎介の冒険、静馬の暗躍、千絵の決断 「佝僂の樹」(横溝正史)(「横溝正史ミステリ 短篇コレクション⑥」)柏書房(「青い外套を着た女」)角川文庫 転落したバスで唯一生き残った慎介は、同乗していた青年からの遺...
怪しい人物はただ一人だけ、横溝の新機軸 「猟奇の始末書」(横溝正史)(「七つの仮面」)角川文庫 「猟奇の始末書」(横溝正史)(「青蜥蜴」)双葉社 白浜海岸にある洋画家・三井の別荘に遊びに来ていた金田一は、外の海に向けられ...
女子高生名探偵、白井澄子の冒険 「死仮面(完全版)」(横溝正史)(「死仮面」)春陽文庫 「デスマスクって、本当に死んでからでないととれないものでしょうか」。金田一のもとを訪れた依頼者はそう語った後、一つのデスマスクを取り...
作品と作者・横溝に、より接近することができる 「不死蝶(雑誌連載版)」(横溝正史)(「横溝正史探偵小説選Ⅴ」)論創社 信州射水を訪れたブラジルの大富豪の養女・マリ。彼女の母は23年前にこの地で鍾乳洞殺人事件を起こした女・...
圧倒的なビジュアルの力で迫り来る横溝正史像 「探偵小説の鬼 横溝正史」平凡社 圧倒的な筆力で都会風コント、耽美趣味の物語、冒険活劇、捕物帳、伝奇ロマン、本格探偵小説など、時代が求める創作を発表し続けた作家・横溝正史。日本...
金田一耕助の事件簿072 ようやく始まり唐突に終わる殺人事件 「日時計の中の女」(横溝正史)(「七つの仮面」)角川文庫 あの日時計殺人事件の犯人はほかにある。庭の日時計から遺体が発見された家屋の持ち主の妻は、過去の事件の...
人形佐七捕物帳017 四つの証拠が四人の別の人物を指し示す 「名月一夜狂言」(横溝正史)(「名月一夜狂言」)創元推理文庫 「名月一夜狂言」(横溝正史)(「完本 人形佐七捕物帳一」) 春陽堂書店 「名月一夜狂言」(横溝正史...
金田一耕助の事件簿031b 「改稿途中作品」、よりおどろおどろしく 「首・改訂増補版」(横溝正史)(「消すな蠟燭」)出版芸術社 髪の下からかっと見開いた眼が物凄い。口は半分ひらいていて、黒ずんだ舌がダラリとのぞいている。...