「わが一高時代の犯罪」(高木彬光)
ヤング神津恭介の解き明かす人間消失 「わが一高時代の犯罪」(高木彬光)(「わが一高時代の犯罪」)角川文庫 一高本館時計台を舞台にして行われた寮生による肝試し。二番目に登った妻木は忽然と姿を消す。残されていたのは本人の砂時...
ヤング神津恭介の解き明かす人間消失 「わが一高時代の犯罪」(高木彬光)(「わが一高時代の犯罪」)角川文庫 一高本館時計台を舞台にして行われた寮生による肝試し。二番目に登った妻木は忽然と姿を消す。残されていたのは本人の砂時...
ベタな展開にみえながら…「幽霊」とはなんぞや? 「幽霊の墓」(安部公房)(「安部公房全集006」)新潮社 希望を失った若い男女が自殺した。男は片足が鉄の義足だったために無事沈んだが、女は助け上げられる。幽霊となった男は、...
探偵小説の魅力は探偵のキャラクターの魅力 「恐ろしい手紙」(グロラー/垂野創一郞訳)(「探偵ダゴベルトの功績と冒険」) 創元推理文庫 相談に訪れたグラハト嬢は、紳士詐欺師・フェルト博士から強請られていることを打ち明ける。...
「赤毛」以上の衝撃が読み手を襲います 「だれがコマドリを殺したのか?」(フィルポッツ/武藤崇恵訳) 創元推理文庫 最愛の妻・ダイアナの死から一年半。ノートンの人生は好転の兆しを見せ、彼はかつて思いを寄せていたネリーと結婚...
読み手は薄々気づいてしまうのですが… 「長方形の箱」(ポー/渡辺温訳)(「ポー傑作集」)中公文庫 問題の箱は、長方形でした。長さが約六呎、幅が約二呎半――私は精密と言へる程、気をつけて観察しました。この形は甚だ特異なもの...
あまり味わいたくはない種類のものですが。 「蟲」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第5巻」)光文社文庫 厭人病者の柾木は、友人・池内に人気女優・木下芙蓉を紹介されるが、彼女は初恋相手・文子だった。自らの想いを伝えようとする...
タイパ最高探偵ダゴベルトの魅力 「奇妙な跡」(グロラー/垂野創一郞訳)(「世界推理短編傑作集2」) 創元推理文庫 産業クラブ会長グルムバッハから事件捜査の依頼を受けたダゴベルトは、会長夫人とともに現場へ急行する。途中、夫...
金田一耕助の事件簿072 ようやく始まり唐突に終わる殺人事件 「日時計の中の女」(横溝正史)(「七つの仮面」)角川文庫 あの日時計殺人事件の犯人はほかにある。庭の日時計から遺体が発見された家屋の持ち主の妻は、過去の事件の...
「錯覚」が支配する物語世界と現実 「錯覚屋繁盛記」(半村良)(「夢の底から来た男」)角川文庫 「錯覚屋繁盛記」(半村良)(「暴走する正義」)ちくま文庫 自分一人がこの世の屑と、劣等感を噛みしめていた木下は、ある日、自分に...
人形佐七捕物帳017 四つの証拠が四人の別の人物を指し示す 「名月一夜狂言」(横溝正史)(「名月一夜狂言」)創元推理文庫 「名月一夜狂言」(横溝正史)(「完本 人形佐七捕物帳一」) 春陽堂書店 「名月一夜狂言」(横溝正史...