「野の少女」(島木健作)
昭和十年代の外側に立つ女性・原田玉枝 「野の少女」(島木健作)(「赤蛙」)新潮文庫 政治家・池尻家の女中・原田玉枝は、家人たちのわがままな振舞いや無理難題の中で、それに負けずに生きてきた。しかしもう一人の女中なかまのカズ...
昭和十年代の外側に立つ女性・原田玉枝 「野の少女」(島木健作)(「赤蛙」)新潮文庫 政治家・池尻家の女中・原田玉枝は、家人たちのわがままな振舞いや無理難題の中で、それに負けずに生きてきた。しかしもう一人の女中なかまのカズ...
穏やかに追い詰める!円熟の老優名探偵・中村雅楽 「等々力座殺人事件」(戸板康二)(「等々力座殺人事件 中村雅楽と迷宮舞台」)河出文庫 裏日本のK市を訪れた中村雅楽と「私」は、近隣のR町の由緒ある劇場・等々力座で起きた殺...
共通するのは「滅びの美学」 「黒猫・アッシャー家の崩壊」(ポー/巽孝之訳)新潮文庫 一見ヨーロッパ的に見えるポー作品の随所に、彼の生きた南北戦争以前のアメリカ史が影を落としている。ポーがいったい何を書き何を隠したのか―そ...
これから到来する危機を早送りしたその筋書き 「こちらニッポン…(上)(下)」(小松左京)角川文庫 自分以外の人間がすべて短時間のうちに突然消失する。不可思議な事態に巻き込まれた福井は茫然自失のまま一日を過ごす。浅い眠りの...
いまさらなんですが、NotebookLMは素晴らしい 「いちばんやさしい 先生が校務に使えるGoogle NotebookLMの教本」 (山本康太)株式会社インプレス 本書を読むことで一人ひとりが数十時間の校務を削減し、...
科学探偵、人柄の悪さはホームズ以上 「イギリス製濾過器」(ロバーツ/井上一夫訳)(「世界推理短編傑作集3」) 創元推理文庫 ローマを訪れていた「わたし」とホークスは、案内役を務めていたドルシーから、日中に訪問したリボッタ...
説明のつかない原始的な恐怖「ジャンビー」 「ジャンビー」(H・S・ホワイトヘッド/高木国寿訳)(「ジャンビー」)国書刊行会 病気療養のために西インド諸島のセント・クロイ島に滞在した英国人のリー氏は、現地の呪術に興味を持ち...
殺人予告は占星術、神津恭介が挑む超常現象ミステリ 「死神の座」(高木彬光)角川文庫 軽井沢に向かった恭介は、列車の中で奇妙な女性と同席する。恭介を知っている女は、軽井沢で殺人事件が起きることを予言する。彼女の「占星学」に...
ベッド・ディテクティヴによる歴史ミステリ 「團十郎切腹事件」(戸板康二)(「楽屋の蟹 中村雅楽と日常の謎」) 河出文庫 「私」と層雲堂主人に、雅楽は八代目團十郎の切腹事件につながる、瑠璃五郎失踪事件の謎について語り始める...
「学び」に向かう姿を見せられる大人になるために 「不勉強が身にしみる」(長山靖生) 光文社新書 かつて日本人は勤勉だと言われていた。今や、そんなものは伝説にすぎない。子供たちの学力低下は著しく、若者の労働意欲は衰え、新た...