「書斎の死体」(クリスティ)
「書斎」と「若い女性の死体」、その顛末は… 「書斎の死体」(クリスティ/山本やよい訳) ハヤカワ文庫 「書斎に死体があるんです」。泣きじゃくるメイドの声で目覚めたバンドリー夫人。退役軍人である夫が書斎を確認すると、そこに...
「書斎」と「若い女性の死体」、その顛末は… 「書斎の死体」(クリスティ/山本やよい訳) ハヤカワ文庫 「書斎に死体があるんです」。泣きじゃくるメイドの声で目覚めたバンドリー夫人。退役軍人である夫が書斎を確認すると、そこに...
探偵小説の魅力は探偵のキャラクターの魅力 「恐ろしい手紙」(グロラー/垂野創一郞訳)(「探偵ダゴベルトの功績と冒険」) 創元推理文庫 相談に訪れたグラハト嬢は、紳士詐欺師・フェルト博士から強請られていることを打ち明ける。...
「赤毛」以上の衝撃が読み手を襲います 「だれがコマドリを殺したのか?」(フィルポッツ/武藤崇恵訳) 創元推理文庫 最愛の妻・ダイアナの死から一年半。ノートンの人生は好転の兆しを見せ、彼はかつて思いを寄せていたネリーと結婚...
読み手は薄々気づいてしまうのですが… 「長方形の箱」(ポー/渡辺温訳)(「ポー傑作集」)中公文庫 問題の箱は、長方形でした。長さが約六呎、幅が約二呎半――私は精密と言へる程、気をつけて観察しました。この形は甚だ特異なもの...
タイパ最高探偵ダゴベルトの魅力 「奇妙な跡」(グロラー/垂野創一郞訳)(「世界推理短編傑作集2」) 創元推理文庫 産業クラブ会長グルムバッハから事件捜査の依頼を受けたダゴベルトは、会長夫人とともに現場へ急行する。途中、夫...
漱石がミステリを翻訳したらこうなるだろう 「〈ダイヤの頸飾り〉事件」(バー/田中鼎訳)(「ヴァルモンの功績」)創元推理文庫 吾輩はウジューヌ・ヴァルモン。もっともこう名乗ったところで、読者諸氏は何の感興も催すまい。ロンド...
名探偵と対等に渡り合う切れ者警部登場 「ウィステリア荘」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」) 光文社文庫 「グロテスクな体験」をしたという人物・エクルズがホームズに調査を依頼する。親しくなった友...
「してやられた」感こそ本作品の最大の味わいどころ 「放心家組合」(バー/宇野利泰訳)(「世界推理短編傑作集2」) 創元推理文庫 「放心家組合」(バー/田中鼎訳)(「ヴァルモンの功績」)創元推理文庫 警視庁のヘイルが持ち込...
スピード&チャージ!大逆転するルパン 「水晶栓」(ルブラン/堀口大學) 新潮文庫 逃げ遅れた部下は殺人罪で死刑が確定した。刑の執行を回避する取引材料として、ルパンは代議士ドーブレックの隠している秘密文書の入手を画策する。...
江戸川乱歩が絶賛、探偵小説の古典的傑作 「赤毛のレドメイン家」(フィルポッツ/武藤崇恵訳) 創元推理文庫 休暇中の敏腕刑事ブレンドンは、助力を乞う手紙を受け取る。相手は数日前に偶然すれ違った「絶世の美女」だった。相談は、...