「かもめのジョナサン 完成版」(R.バック)
読み手に託された「解答」 「かもめのジョナサン 完成版」(R.バック/五木寛之訳)新潮文庫 ジョナサンはふたたび群れを離れた。そしてただ一羽、はるかな遠い沖合で、飢えながらもしあわせな気持で、練習を再開した。彼は三百メー...
読み手に託された「解答」 「かもめのジョナサン 完成版」(R.バック/五木寛之訳)新潮文庫 ジョナサンはふたたび群れを離れた。そしてただ一羽、はるかな遠い沖合で、飢えながらもしあわせな気持で、練習を再開した。彼は三百メー...
キーワードは「正統派」「典型性「端正な」 「窓のふくろう」(コール夫妻/井上勇訳)(「世界推理短編傑作集3」) 創元推理文庫 ウィルスンとプレンタガストは散歩の途中、「ひとごろしだあ」と叫ぶ人物に出くわす。屋敷の中に踏み...
静かなる「私」が記録する、世界の終わり 「火の雨」(ルゴーネス/牛島信明訳)(「塩の像」)国書刊行会(「百年文庫095 架」)ポプラ社 十一時頃にまず最初の火の粒が降ってきた。こちらに一粒、あちらに一粒と、蠟燭の芯のパチ...
「密室殺人」と「首なし死体」の二大王道トリック 「秘密の庭」(チェスタトン/中村保男訳)(「ブラウン神父の童心」)創元推理文庫 ヴァランタン家のパーティーの最中、正体不明の男の死体が発見される。それは首と胴が切り離された...
安眠空間が「殺人マシン」と化す恐怖 「恐怖のベッド」(コリンズ/中島賢二訳)(「夢の女・恐怖のベッド 他六篇」) 岩波文庫 全身の血が凍り付いたような気がしました。私は枕の上で首を巡らし、絵の中の男に目を凝らすことで、本...
まるで古い銀塩写真を見ているような 「みずうみ/三色すみれ/ 人形使いのポーレ」(シュトルム) 光文社古典新訳文庫 フーズムという北海沿岸の小都市で、名士の家に生まれたシュトルムは、最終的には自らも郷土で人望を得て、知...
起こるのは…、口論だけです。 「その夜の宿」(スティーブンスン/ 高松雄一・高松禎子訳)(「マーカイム・壜の小鬼 他五篇」) 岩波文庫 聖ヨハネ墓地に隣接する隠れ家に集まっていた悪党たち。そこでもめ事が起き、殺人沙汰...
オセロー、イアーゴー、エミリアの三人の人物像 「オセロー」(シェイクスピア/福田恆存訳) 新潮文庫 昇進できなかったことに不満を覚えたイアーゴーは、将軍オセローと副官キャシオーを逆恨みする。策謀を巡らせキャシオーを失脚さ...
共通するのは「滅びの美学」 「黒猫・アッシャー家の崩壊」(ポー/巽孝之訳)新潮文庫 一見ヨーロッパ的に見えるポー作品の随所に、彼の生きた南北戦争以前のアメリカ史が影を落としている。ポーがいったい何を書き何を隠したのか―そ...
最後の「すべては夢」、それは絶望か救済か 「不思議な少年44号」(トウェイン/大久保博訳)角川文庫 古城で印刷工場を営むシュタイン家の戸口に見知らぬ少年が現れる。疑念を抱いた印刷工たちは彼を追い返そうとするが、慈悲深い主...