「アルテーミー・セミョーノヴィチ・ベルヴェンコーフスキー」(A.K.トルストイ)
大文豪?いや、アレクセイ… 「アルテーミー・セミョーノヴィチ・ ベルヴェンコーフスキー」(A.K.トルストイ)(「19世紀ロシア奇譚集」) 光文社古典新訳文庫 旅の途中、「私」は故障した馬車の修理のために、やむなく奇怪...
大文豪?いや、アレクセイ… 「アルテーミー・セミョーノヴィチ・ ベルヴェンコーフスキー」(A.K.トルストイ)(「19世紀ロシア奇譚集」) 光文社古典新訳文庫 旅の途中、「私」は故障した馬車の修理のために、やむなく奇怪...
一発勝負、アナフィラキシーの殺人 「キプロスの蜂」(ウィン/井上一夫訳)(「世界推理短編傑作集3」) 創元推理文庫 ヘイリー博士がバイルズ警部から持ち込まれた事件は「蜂」。車内で蜂に刺されて女性が死亡した事件と、別の場所...
三部作完結編、子ども時代の終わりを予感させる終末 「ピッピ 南の島へ」(リンドグレーン/大塚勇三訳) 岩波少年文庫 こうして、春早々の、ある寒い夕方、トミーとアンニカは、生まれてはじめて、小さい小さい町をはなれ、ピッピと...
もはやSF!しかし最後はミステリとしての衝撃的結末 「孔雀屋敷」(フィルポッツ/武藤崇恵訳)(「孔雀屋敷」)創元推理文庫 亡夫の友人であった老将軍の招待に応じたジェーン。彼女はその地にある孔雀屋敷と呼ばれる家屋で殺人現場...
「神の思し召し」の意味するところ 「ねじれ首のジャネット」(スティーブンスン/ 高松雄一・高松禎子訳)(「マーカイム・壜の小鬼 他五篇」) 岩波文庫 スーリス師がおぞましい雰囲気に包まれて生きているのには理由があった...
巴里を舞台に描かれる、人間のもっとも根源的な感情 「百年文庫063 巴」ポプラ社 百年文庫第63巻を読了しました。テーマは「巴」。といっても日本の伝統文様としての「巴(ともえ)」(コンマのような文様)のことではありません...
妖しい魅力を放つ毒娘と危険な罠に落ちる青年 「ラッパチーニの娘」(ホーソーン/岡本綺堂訳)(「世界怪談名作集」)河出文庫 医大生・ジョヴァンニの下宿先の主は、ラッパチーニという医師であった。彼はその娘・ベアトリーチェの美...
1800年の時を超えた「恋愛」「平和」「神々」の物語 「ダフニスとクロエー」(ロンゴス/松平千秋訳)岩波文庫 「つまりは接吻したり抱きあったり、着物を脱いで一緒にねる以外には、恋にきく薬はないということだ」。フィレーター...
古典的トリック、そして法廷での大逆転劇 「茶の葉」(ジェプスン&ユーステス/阿部主計訳)(「世界推理短編傑作集3」) 創元推理文庫 娘と喧嘩別れしたウィラトンに、ケルスタンは激怒する。彼はウィラトンに対して徹底的に嫌がら...
そもそも「ミミ」とはどんな人物か? 「ミミ・パンソン」(ミュッセ/佐藤美枝訳)(「百年文庫063 巴」)ポプラ社 医学生・ウジューヌは、美徳と誠実を貫くようにして生きていた。彼はお節介な友人からお針子・ミミ・パンソン嬢を...