「タール博士とフェザー教授の療法」(ポー)
狂気か、それともブラックユーモアか 「タール博士とフェザー教授の療法」(ポー/巽孝之訳)(「大渦巻への落下・灯台」)新潮文庫 南仏旅行中の「わたし」は、以前より関心を持っていたマイヤール氏経営の精神病院へ見学を申し入れる...
狂気か、それともブラックユーモアか 「タール博士とフェザー教授の療法」(ポー/巽孝之訳)(「大渦巻への落下・灯台」)新潮文庫 南仏旅行中の「わたし」は、以前より関心を持っていたマイヤール氏経営の精神病院へ見学を申し入れる...
抽象世界、詩的世界、幻想的世界 「アトランティス物語」(ノヴァーリス/高橋英夫訳)(「百年文庫054 巡」)ポプラ社 年老いた国王によって大切に育てられた美しい姫は、そのあまりの高貴さゆえ、婿になるべき王子が見つからぬま...
探偵小説の源流は、こんなにも魅力に溢れた世界 「世界推理短編傑作集1」(江戸川乱歩編)創元推理文庫 「盗まれた手紙 ポオ」「助けてくれるんなら誰にだって五万フラン払うよ」という警視総監の言葉を聞いたデュパンは、小切手を受...
では、どんな運命が彼女の前に現れるのか? 「幻想を追う女」(ハーディ/河野一郎訳)(「呪われた腕」)新潮文庫 この部屋の持ち主は、私の勝てなかったあの人だった。エラのために貸別荘の部屋を空けてくれた男は、エラが目指してい...
波頭に立たされたとき、人はどう生きるべきか 「百年文庫048 波」ポプラ社 「俊寛 菊池寛」それは、彼が鹿ヶ谷の山荘で飲んだ如何なる美酒にも勝って居た。彼がその清冽な水を味って居る間は、清盛に対する怨みも、島に、ただ一人...
いろいろな味わいが愉しめるビアスの「幽霊もの」 「シロップの壼」「壁の向こう」「ジョン・モートンソンの葬儀」「幼い放浪者」(ビアス/小川高義訳)(「アウルクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 サイラス・ディ...
会話によるバトル、恐ろしい小説です。 「ローマ熱」(ウォートン/大津栄一郎訳)(「20世紀アメリカ短篇選(上)」) 岩波文庫 「ローマ熱」(ウォートン/大津栄一郎訳)(「百年文庫050 都」)ポプラ社 高い崖の上につき出...
高校生探偵ボートルレの冒険と挫折 「奇岩城」(ルブラン/堀口大學訳) 新潮文庫 ルーベンスの油絵を盗もうとした窃盗団は、まんまと逃げおおせる。捜査にあたった予審判事は何も手がかりをつかむことができなかった。しかし、現場に...
すべて民衆の「空気」が引き寄せた「死」 「百年文庫047 群」ポプラ社 「象を射つ オーウェル」しかし、そのとき、わたしは振り向いて、わたしのあとからついて来た群衆を眺めた。それは二千人を下らない大群衆で、しかも、刻々に...
両師匠による「ベースボール小噺」 「アリバイ・アイク」(ラードナー/加島祥造訳)(「百年文庫052 婚」)ポプラ社 やつはフランク・X・ファレルというんだがね、どうもXってのは、「言いわけ」のXじゃねえかなあ。なぜってこ...