「チューリップの鉢」(オブライエン)
幽霊話、暗号解読、でも最後は愛情物語 「チューリップの鉢」(オブライエン/南條竹則訳)(「不思議屋/ダイヤモンドのレンズ」) 光文社古典新訳文庫 「私」が一夏を過ごした大邸宅は、恋人・アリスの祖父のヴァン・クーレン翁が所...
幽霊話、暗号解読、でも最後は愛情物語 「チューリップの鉢」(オブライエン/南條竹則訳)(「不思議屋/ダイヤモンドのレンズ」) 光文社古典新訳文庫 「私」が一夏を過ごした大邸宅は、恋人・アリスの祖父のヴァン・クーレン翁が所...
すべてがそこに帰結しているビアスの構成 「空飛ぶ騎手」(ビアス/西川正身訳)(「いのちの半ばに」)岩波文庫 馬に乗ったまま、ひとりの男が空中を谷間へと下りて来るのだ。馬上の人は軍隊風にみごと直立の姿勢をとり、鞍にしかと腰...
幽霊以上に恐ろしい「現実」がそれぞれ登場します 「レサカにて戦死」「チカモーガの戦い」(ビアス/小川高義訳)(「アウクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 われわれはブレイル中尉に対して、賞賛とともに好感を抱...
笑いあり涙ありの「結婚」三作品 「百年文庫052 婚」ポプラ社 「求婚者の話 久米正雄」単刀直入を身上とする大学生「鈴木君」は、窓下を眺めていて見つけた洋傘の娘に一目惚れする。下宿を飛び出た「鈴木君」は、彼女の後を追跡す...
味わいどころは怪奇幻想・恋愛物語・勧善懲悪 「不思議屋」(オブライエン/南条竹則訳)(「不思議屋/ダイヤモンドのレンズ」) 光文社古典新訳文庫 「不思議屋ヘール・ヒッペ」。不思議屋とは何だろう?人々は尋ね合った。誰も答え...
旅先で訪れた「都」、しかも男女の出会う「都」 「百年文庫050 都」ポプラ社 「くすり指 ギッシング」伯父とともにローマに滞在するケリン嬢は、朝食のテーブルで知り合った英国人青年ライトンに惹かれていく。ケリン嬢はこのまま...
いろいろな味わいが愉しめるビアスの「幽霊もの」 「シロップの壼」「壁の向こう」「ジョン・モートンソンの葬儀」「幼い放浪者」(ビアス/小川高義訳)(「アウルクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 サイラス・ディ...
会話によるバトル、恐ろしい小説です。 「ローマ熱」(ウォートン/大津栄一郎訳)(「20世紀アメリカ短篇選(上)」) 岩波文庫 「ローマ熱」(ウォートン/大津栄一郎訳)(「百年文庫050 都」)ポプラ社 高い崖の上につき出...
両師匠による「ベースボール小噺」 「アリバイ・アイク」(ラードナー/加島祥造訳)(「百年文庫052 婚」)ポプラ社 やつはフランク・X・ファレルというんだがね、どうもXってのは、「言いわけ」のXじゃねえかなあ。なぜってこ...
ホラー小説?いやいや、シンデレラ・ストーリー 「お茶の葉」(H・S・ホワイトヘッド/荒俣宏訳)(「ジャンビー」)国書刊行会 「お茶の葉」(H・S・ホワイトヘッド/荒俣宏訳)(「百年文庫050 都」)ポプラ社 欧州旅行に参...