「あしながおじさん」(ウェブスター)
ジェルーシャの手紙の軽やかさの裏に 「あしながおじさん」(ウェブスター/岩本正恵訳)新潮文庫 みなしごを大学へ進学させてくださる親切な評議員さまへあなたについてわたしが知っているのは、たった三つⅠ 背が高い。Ⅱ お金持ち...
ジェルーシャの手紙の軽やかさの裏に 「あしながおじさん」(ウェブスター/岩本正恵訳)新潮文庫 みなしごを大学へ進学させてくださる親切な評議員さまへあなたについてわたしが知っているのは、たった三つⅠ 背が高い。Ⅱ お金持ち...
ラングストン少年が「図書館」で見つけたもの 「希望の図書館」(リサ・クライン・ランサム/松浦直美訳) ポプラ社 一九四六年のアメリカ。故郷アラバマでは、「黒人は図書館に入れない」といわれていた。しかしラングストンは、シカ...
読み手に託された「解答」 「かもめのジョナサン 完成版」(R.バック/五木寛之訳)新潮文庫 ジョナサンはふたたび群れを離れた。そしてただ一羽、はるかな遠い沖合で、飢えながらもしあわせな気持で、練習を再開した。彼は三百メー...
最後の「すべては夢」、それは絶望か救済か 「不思議な少年44号」(トウェイン/大久保博訳)角川文庫 古城で印刷工場を営むシュタイン家の戸口に見知らぬ少年が現れる。疑念を抱いた印刷工たちは彼を追い返そうとするが、慈悲深い主...
説明のつかない原始的な恐怖「ジャンビー」 「ジャンビー」(H・S・ホワイトヘッド/高木国寿訳)(「ジャンビー」)国書刊行会 病気療養のために西インド諸島のセント・クロイ島に滞在した英国人のリー氏は、現地の呪術に興味を持ち...
「恐怖」、でも最後は…、素敵な作品です。 「荒涼のベンチ」(H.ジェイムズ/大津栄一郎訳)(「ヘンリー・ジェイムズ短篇集」) 岩波文庫 婚約不履行としてケイトから訴えられたハーバート・ドッドは、やむなくその一部を支払い、...
妖しい魅力を放つ毒娘と危険な罠に落ちる青年 「ラッパチーニの娘」(ホーソーン/岡本綺堂訳)(「世界怪談名作集」)河出文庫 医大生・ジョヴァンニの下宿先の主は、ラッパチーニという医師であった。彼はその娘・ベアトリーチェの美...
「私」が見たのは別人、それとも幽霊、いやいや… 「私的生活」(H.ジェイムズ/大津栄一郎訳)(「ヘンリー・ジェイムズ短篇集」) 岩波文庫 数人の知人とともにディナーを楽しんでいる「私」は、会話の中心となっているヴォードレ...
最終的に彼女の望みは何だったのか 「クローディアの秘密」(カニグズバーグ/松永ふみ子訳) 岩波少年文庫 クローディアは家出を決行する。相棒に選んだのは二番目の弟・ジェイミー。二人はそれぞれバイオリンとトランペットのケース...
「幽霊」そのものではなく、その役割を味わうべき作品 「もうひとり」(H.ジェイムズ/大津栄一郎訳)(「ヘンリー・ジェイムズ短篇集」) 岩波文庫 伯母の屋敷を相続した二人の独身老女スーザンとエミリー。孤独に飽いていた二人は...