「ダイヤモンドのレンズ」(オブライエン)
怪奇小説!? 犯罪小説!? 幻想小説!? いや…、 「ダイヤモンドのレンズ」(オブライエン/南条竹則訳)(「不思議屋/ダイヤモンドのレンズ」) 光文社古典新訳文庫 「私」は、巫女の神託によって完全なる顕微鏡をつくる方法を...
怪奇小説!? 犯罪小説!? 幻想小説!? いや…、 「ダイヤモンドのレンズ」(オブライエン/南条竹則訳)(「不思議屋/ダイヤモンドのレンズ」) 光文社古典新訳文庫 「私」は、巫女の神託によって完全なる顕微鏡をつくる方法を...
その奥行きの深さを十分に堪能すべき 「デイジー・ミラー」(H.ジェイムズ/小川高義訳)新潮文庫 スイス・ヴェヴェーで出会った美女・デイジーミラーは、今はローマに滞在していた。伯母からの手紙を受け取ったウィンターボーンはロ...
湖面に浮かび上がった気嵐のような美しさ 「百年文庫029 湖」ポプラ社 「冬の夢 フィツジェラルド」奔放な性格のジューディに振り回され続けたデクスターは、その熱が冷めた頃、貞淑な娘・アイリーンとの婚約に踏み切る。しかしあ...
さて、デクスターはどうするか? 「冬の夢」(フィツジェラルド/佐伯泰樹訳)(「百年文庫029 湖」)ポプラ社 「冬の夢」(フィツジェラルド/飯島淳秀訳)(「雨の朝パリに死す」)角川文庫 奔放な性格のジューディに振り回され...
「虚飾を排して読み手の想像で補完させる」という文体 「幽霊なるもの」(ビアス/小川高義訳)(「アウクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 カミングス牧師がベイカーの農地を馬車で通りかかるとき、橋に立つ人影が目...
前衛性・先見性・文学性、ナボコフ、恐るべし 「ランス」(ナボコフ/大津栄一郎訳)(「20世紀アメリカ短篇選(下)」) 岩波文庫 その惑星にはすでに名前がつけてあるだろうが、名前はどうでもいい。いちばん有利な衝の位置に来た...
「冥」の意味、そして「冥利」の意味するところ 「百年文庫080 冥」ポプラ社 「メルヴィル バイオリン弾き」友人・スタンダードに紹介されたホートボーイは、明るい好人物だったが、直前に悲嘆に暮れていた「ぼく」は、その男の屈...
ギャツビーという人物像の「偉大さ」 「グレート・ギャツビー」(フィツジェラルド/野崎孝訳) 新潮文庫 「偉大なギャツビー」(フィツジェラルド/野崎孝訳)(「集英社ギャラリー 世界の文学17 アメリカⅡ」) 「ぼく」の...
「化け物」つまり「過去の判断を悔やむ心の弱さ」 「にぎやかな街角」(H.ジェイムズ/大津栄一郎訳)(「百年文庫080 冥」)ポプラ社 「にぎやかな街角」(H.ジェイムズ/大津栄一郎訳)(「ヘンリー・ジェイムズ短篇集」) ...
犯した場合には生命をもって償わなければならない 「百年文庫020 掟」(ポプラ社) 「爪王 戸川幸夫」鷹匠は若鷹に「吹雪」と名附けた。命名は野生との訣別を意味する。鷹匠の家族の一員としての再出発であった。忍従の歳月だった...