「くすり指」(ギッシング)
二人の思いのすれ違う都・ローマ 「くすり指」(ギッシング/小池滋訳)(「百年文庫050 都」)ポプラ社 伯父とともにローマに滞在するケリン嬢は、朝食のテーブルで知り合った英国人青年ライトンに惹かれていく。ケリン嬢はこのま...
二人の思いのすれ違う都・ローマ 「くすり指」(ギッシング/小池滋訳)(「百年文庫050 都」)ポプラ社 伯父とともにローマに滞在するケリン嬢は、朝食のテーブルで知り合った英国人青年ライトンに惹かれていく。ケリン嬢はこのま...
モームらしい衝撃度大の結末が 「マッキントッシュ」(モーム/河野一郎訳)(「百年文庫047 群」)ポプラ社 彼はほんのしばらくの間、海に入って水遊びをした。泳ぐには浅すぎたが、サメが恐ろしいので、背の立たない深いところへ...
「結婚ってこんなものだっけ?」という違和感 「下宿屋」(ジョイス/安藤一郎訳)(「百年文庫052 婚」)ポプラ社 ポリーのそぶりがすこし変になりだした、そこでその青年は明らかに動揺しかけていた。ついに、頃合いよしと見定め...
きれい事で塗り固めるのではなく 「象を射つ」(オーウェル/高畠文夫訳)(「百年文庫047 群」)ポプラ社 しかし、そのとき、わたしは振り向いて、わたしのあとからついて来た群衆を眺めた。それは二千人を下らない大群衆で、しか...
そのまま受け入れるのは難しい…、でも 「年金生活者」「古陶器」(ラム/山内義雄訳)(「百年文庫038 日」)ポプラ社 …目にみえて、私は紳士らしくなってゆく。新聞をとりあげるのは、オペラの様子を読むためである。私の仕事は...
逃亡といっても、その深刻度はピンからキリまで 「百年文庫088 逃」ポプラ社 「男鹿 田村泰次郎」ある冬の寒い日、一人の男が、私を訪ねてきた。「大木戸登を、ご存じでしょう?」私は知っていると答えた。知ってはいるが私は大陸...
命を燃やし尽くしたかのような人物の「生涯」 「百年文庫022 涯」ポプラ社 「異父兄弟 ギャスケル」不器用で学業も仕事も上手くこなせない兄・グレゴリー。家族から冷ややかな目で見られる彼を、弟の「私」も同じように見下した態...
逃亡者、かく逃げおおせたり! 「三人の見知らぬ客」(ハーディ/井出弘之訳)(「百年文庫088 逃」)ポプラ社 嵐の夜、子どもの誕生を祝う祝宴の催されている家に、見知らぬ男が雨宿りを願い出る。人のいい主人は男を招き入れるが...
それだけいい人間になることができる 「異父兄弟」(ギャスケル/松岡光治訳)(「百年文庫022 涯」)ポプラ社 「異父兄弟」(ギャスケル/松岡光治訳)(「ギャスケル短篇集」)岩波文庫 不器用で学業も仕事も上手くこなせない兄...