「みかげ石 他二篇」(シュティフター)
「自然の美しさ」と「静謐な世界観」 「みかげ石 他二篇」(シュティフター/手塚富雄・藤村宏訳) 岩波文庫 石さながらに、その印象もまたそれぞれに異なっている。しかし、全体を通じて一貫しているものは、「すべての人間は、他の...
「自然の美しさ」と「静謐な世界観」 「みかげ石 他二篇」(シュティフター/手塚富雄・藤村宏訳) 岩波文庫 石さながらに、その印象もまたそれぞれに異なっている。しかし、全体を通じて一貫しているものは、「すべての人間は、他の...
「子ども向け」と「大人向け」の二つの顔 「モモ」(エンデ/大島かおり訳) 岩波少年文庫 時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、だれひとり気がついていないようでした。じぶ...
まるで古い銀塩写真を見ているような 「みずうみ/三色すみれ/ 人形使いのポーレ」(シュトルム) 光文社古典新訳文庫 フーズムという北海沿岸の小都市で、名士の家に生まれたシュトルムは、最終的には自らも郷土で人望を得て、知...
「芸術家」と「市民」、その境界に立つトニオの苦悩 「トニオ・クレエゲル」(マン/実吉捷郎訳)岩波文庫 文学的趣味を持つトニオ・クレエゲルは、同級生たちの間では浮いた存在となっていた。十三歳のとき、友人ハンスと一緒に散歩す...
ほんとうの幸せとは何かという問い 「アウグスツス」(ヘッセ/高橋健二訳)(「メルヒェン」)新潮文庫 「お子さんにとって一ばんよいと思われることを考えてみなさい。かなえられるだろう」。隣家の老人の言葉を信じ、母親は「みんな...
自らの運命を切り拓いている主人公たち 「百年文庫093 転」ポプラ社 百年文庫第93巻、テーマは「転」。人生の「転」機を迎えた人間の姿が描かれた三編が集められています。しかしそれは運命に翻弄されているわけではなく、自らの...
石乳の形成過程における自然の静謐さ 「石乳」(シュティフター/藤村宏訳)(「みかげ石 他二篇」)岩波文庫 わたくしたちの祖国に、一つの城がある。この城は、方々でよく見かけるように、広い濠をめぐらしていて、池の中にある島の...
乞食道を精進する、師弟二人。 「神様、お慈悲を!」(リール/山崎恒裕訳)(「百年文庫093 転」)ポプラ社 大聖堂の南玄関の一等地をあてがわれ、許可書まで手に入れている物乞いのハンス。老境にさしかかった彼は、同業の若者・...
穏やかな時間が流れていきます 「人形使いのポーレ」(シュトルム/松永美穂訳)(「みずうみ/三色すみれ/ 人形使いのポーレ」) 光文社古典新訳文庫 旅回りの人形芝居を観た「わたし」は、夢に人形カスペルルが現れるほどに魅了...
本作品が問いかける「才能とは何か」 「石灰石」(シュティフター/手塚富雄訳)(「みかげ石 他二篇」)岩波文庫 石灰岩台地の広がるシュタインカールの地を、測量のために訪れた「わたし」は、貧しい姿の牧師と再会する。ある日、突...