「名残の雪」(眉村卓)
歴史改変、そして反転する「入れ子構造」 「名残の雪」(眉村卓)(「思いあがりの夏」)角川文庫 雑誌社の守衛・伊藤が、暴漢に撃たれて亡くなる。親しかった社員の「ぼく」は彼の家を訪問するが、そこで彼の妻から遺品の原稿を手渡さ...
歴史改変、そして反転する「入れ子構造」 「名残の雪」(眉村卓)(「思いあがりの夏」)角川文庫 雑誌社の守衛・伊藤が、暴漢に撃たれて亡くなる。親しかった社員の「ぼく」は彼の家を訪問するが、そこで彼の妻から遺品の原稿を手渡さ...
すべてが崩れ去る驚愕の結末 「夢の底から来た男」(半村良)(「夢の底から来た男」)角川文庫 物静かでささやかな平和を求めるサラリーマン・一郎の夢の中に現れる「血まみれの手をした男」は、やがて現実世界でもその姿を現し始める...
私たちのすぐ隣にそっと寄り添うSF 「素顔の時間」(眉村卓)角川文庫 「点滅」佐久間が取材した学者は、刈谷という変人だった。自宅の一室でありながらサングラスにマスク、手袋着用といういでたちで現れた刈谷は、人間の欲望はある...
「変化を受け入れる」にせよ「変化を拒む」にせよ 「強いられた変身」(眉村卓)角川文庫 「長い夢」クラの任務は、「三名一組の宇宙飛行士の乗務体制を人間二名+ロボット一台へと変更する案件」に反対する飛行士たちの心理調査だった...
これから到来する危機を早送りしたその筋書き 「こちらニッポン…(上)(下)」(小松左京)角川文庫 自分以外の人間がすべて短時間のうちに突然消失する。不可思議な事態に巻き込まれた福井は茫然自失のまま一日を過ごす。浅い眠りの...
一分間で立ち現れる疑似空間 「ショート・ショート 一分間だけ」(眉村卓)角川文庫 ぼくは一策を案出しました。登場人物の名前の最初の音をアイウエオの順にして行こう。アキラではじまったら、次はイサム、その次は……として行けば...
ひと味違う、パラレルワールド・ストーリー 「傾いた地平線」(眉村卓)角川文庫 SF作家である「私」は、気がついたら十数年前に辞めたはずの会社にいた。そこで「私」は次長として会社員を続けていたのだった。同僚たちは当たり前の...
最新科学捜査か、それともエセ科学? 「赤耀館事件の真相」(海野十三)(「盗まれた脳髄」)河出文庫 赤耀館の顛末は、新聞記事で既によくご存知のことと思います。いや、貴方はあの事件について、最も興味と疑惑とを持っていらっしゃ...
中学校一年生の心で読むべきSFジュヴナイル 「二十四時間の侵入者」(眉村卓)(「二十四時間の侵入者」)角川文庫 何もない空間から突然現れた少年は、明らかに敵意のある目をしていた。目撃した隆一と未代子の学校にも、その少年は...
生ける腸「チコ」は、ペットかモンスターか 「生きている腸」(海野十三)(「怪奇探偵小説集続々」)双葉社 医学生・吹矢は熊本博士を強請り、かねてより所望していたヒトの大腸を入手する。おそらくは囚人から切除したばかりのそれを...