「奇妙な跡」(グロラー)
タイパ最高探偵ダゴベルトの魅力 「奇妙な跡」(グロラー/垂野創一郞訳)(「世界推理短編傑作集2」) 創元推理文庫 産業クラブ会長グルムバッハから事件捜査の依頼を受けたダゴベルトは、会長夫人とともに現場へ急行する。途中、夫...
タイパ最高探偵ダゴベルトの魅力 「奇妙な跡」(グロラー/垂野創一郞訳)(「世界推理短編傑作集2」) 創元推理文庫 産業クラブ会長グルムバッハから事件捜査の依頼を受けたダゴベルトは、会長夫人とともに現場へ急行する。途中、夫...
金田一耕助の事件簿072 ようやく始まり唐突に終わる殺人事件 「日時計の中の女」(横溝正史)(「七つの仮面」)角川文庫 あの日時計殺人事件の犯人はほかにある。庭の日時計から遺体が発見された家屋の持ち主の妻は、過去の事件の...
「錯覚」が支配する物語世界と現実 「錯覚屋繁盛記」(半村良)(「夢の底から来た男」)角川文庫 「錯覚屋繁盛記」(半村良)(「暴走する正義」)ちくま文庫 自分一人がこの世の屑と、劣等感を噛みしめていた木下は、ある日、自分に...
人形佐七捕物帳017 四つの証拠が四人の別の人物を指し示す 「名月一夜狂言」(横溝正史)(「名月一夜狂言」)創元推理文庫 「名月一夜狂言」(横溝正史)(「完本 人形佐七捕物帳一」) 春陽堂書店 「名月一夜狂言」(横溝正史...
金田一耕助の事件簿031b 「改稿途中作品」、よりおどろおどろしく 「首・改訂増補版」(横溝正史)(「消すな蠟燭」)出版芸術社 髪の下からかっと見開いた眼が物凄い。口は半分ひらいていて、黒ずんだ舌がダラリとのぞいている。...
そうした現実との符合が連続する中で 「最終戦争」(今日泊亜蘭)(「最終戦争/空族館」)ちくま文庫 「最終戦争」(今日泊亜蘭)(「あしたは戦争」)ちくま文庫 米軍機動力の象徴、サンジャック沖に遊弋している核熱空母エンタプラ...
漱石がミステリを翻訳したらこうなるだろう 「〈ダイヤの頸飾り〉事件」(バー/田中鼎訳)(「ヴァルモンの功績」)創元推理文庫 吾輩はウジューヌ・ヴァルモン。もっともこう名乗ったところで、読者諸氏は何の感興も催すまい。ロンド...
いけないいけない、同化してはいけない 「金と銀」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅩ」)中公文庫 妥協の道は断じて有り得ない!己が飽く迄も生きて、発達して、天才の境地に伸びて行くには、青野が此の世から居なくならなければ駄...
奇怪な構造物「バベルの塔」、そして仮想犯罪劇 「呪いの塔」(横溝正史)角川文庫 猟奇的作風の探偵作家・大江黒潮のもとに集まった七人の仲間による仮想犯罪劇。舞台は立体的迷路とも言うべき「バベルの塔」。誰もが訝しみながら行っ...
名探偵と対等に渡り合う切れ者警部登場 「ウィステリア荘」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」) 光文社文庫 「グロテスクな体験」をしたという人物・エクルズがホームズに調査を依頼する。親しくなった友...