「百年文庫060 肌」
男女の結びつきが主題となっている、きわどい作品群 「百年文庫060 肌」ポプラ社 百年文庫第60巻を読了しました。テーマは「肌」。その漢字一文字が表すように、男女の結びつきが主題となっている、きわどい作品が集められていま...
男女の結びつきが主題となっている、きわどい作品群 「百年文庫060 肌」ポプラ社 百年文庫第60巻を読了しました。テーマは「肌」。その漢字一文字が表すように、男女の結びつきが主題となっている、きわどい作品が集められていま...
改めて考えさせられる男と女の結びつき 「金色の鼻」(古山高麗雄)(「百年文庫060 肌」)ポプラ社 お別れの食事?特にそんなつもりで、サッポロ冷やしラーメンを食ったわけではない。お別れの食事には違いないのだけれど、しかし...
「悪魔」、「彼」、そして「創造」をどう読み取るか? 「悪魔ドゥベモオ」(安部公房)(「題未定 安部公房初期短編集」) 新潮文庫(「安部公房全集001」)新潮社 人間よ。私の声を聞くがよい。私は人間の王だ。人間の運命だ。そ...
ユーモアからシュール、そして底知れない恐怖感。 「馬」(小島信夫)(「アメリカン・スクール」)新潮文庫(「百年文庫059 客」)ポプラ社 妻・トキ子が家の増築を始めた。夫の「僕」に何の相談もなく。ところがそれは馬小屋なの...
さまざまなドラマが創り出される「街」 「百年文庫053 街」ポプラ社 「感傷の靴 谷譲次」ああ、ヘンリイも日本人、俺も日本人――遠く故国を離れて二十有余年、ふわふわとその日を送っているように見えても、俺たちは矢張り日本人...
晩年の安部公房との疑似対話を愉しむ 「死に急ぐ鯨たち・もぐら日記」(安部公房)新潮文庫 希望にあふれた時代があったことは否定できない。だが積載過剰のトラックのような時代をくぐりぬけて、作者は失望し、かつ謙虚になった。死の...
時代を先取りした肉食系大型女子と草食系小型男子 「一夜の宿・恋の傍杖」(富士正晴)(「ちくま日本文学全集56 富士正晴」) 筑摩書房(「百年文庫053 街」)ポプラ社 大柄な女性作家・ハアちゃんに一夜の番を頼まれた小柄な...
安部が七十年前に描いた世界は、もはや現実として 「パニック」(安部公房)(「R62号の発明・鉛の卵」)新潮文庫 見知らぬアパートの一室で眼をさました「私」は、血まみれで倒れているKと、かたわらに転がっている、血のついたナ...
描かれているはずなのですが…、ないのです 「第一の手紙~第四の手紙」(安部公房)(「題未定 安部公房初期短編集」) 新潮文庫(「安部公房全集001」)新潮社 見も知らぬ、聞きも知らぬ人に手紙を書くと言う、此の不可能に近い...