「白い人」「黄色い人」(遠藤周作)
遠藤周作の文学的原点ともいえる二作品 「白い人」「黄色い人」(遠藤周作)(「白い人・黄色い人」)新潮文庫 母親から禁欲的な生活を強いられてきた「私」は、十二歳の頃、女中が老犬を虐待する光景に魅せられる。ナチによる占領下の...
遠藤周作の文学的原点ともいえる二作品 「白い人」「黄色い人」(遠藤周作)(「白い人・黄色い人」)新潮文庫 母親から禁欲的な生活を強いられてきた「私」は、十二歳の頃、女中が老犬を虐待する光景に魅せられる。ナチによる占領下の...
自分が知っている昭和の姿がそこかしこに現れている 「日本文学100年の名作第7巻 公然の秘密」新潮文庫 「鮒」(向田邦子)勝手口に置かれていたバケツには、一匹の鮒が入っていた。体長15センチほどのそれには、確かに見...
偶然が呼び込んだ必然 「霧の中の声」(遠藤周作)(「幸せな哀しみの話」)文春文庫 平凡で小心者の夫を持つ信子は、なぜか未来を予知するような夢を見はじめる。一度目は海外で起きた地震の夢。二度目は若くして亡くなった同級生の夢...
第3学年12月 人間とは何か? 読書の醍醐味は、現実では味わうことのできない状況を体験できることです。特に、特殊な人間の登場する世界を堪能できることは貴重です。この8冊には、現実世界ではなかなかお目にかかることのできない...
テーマは「窓」から覗き見た世界 「百年文庫026 窓」ポプラ社 「シラノ・ド・ベルジュラック 遠藤周作」 フランスに留学した「私」は、 老学者ウイ先生に興味を覚え、 仏語と文学の 家庭教師をお願いする...
ロスタン版シラノ像vs遠藤版シラノ 「シラノ・ド・ベルジュラック」 (遠藤周作)(「百年文庫026 窓」) ポプラ社 フランスに留学した「私」は、 老学者ウイ先生に興味を覚え、 仏語と文学の 家庭教師をお願いする。 し...
長年連れ添っても価値観は同一であるとは限らない 「夫婦の一日」(遠藤周作) (「夫婦の一日」)新潮文庫 「夫婦の一日」(遠藤周作) (「日本文学100年の名作第7巻」) 新潮文庫 「鳥取まで一緒に行って欲しい」。妻にそ...
現在も鋭く問題提起をし続けている本作品 「海と毒薬」(遠藤周作)新潮文庫 前回は、本書に登場する人物の中でも 中心的な描かれ方をしている 勝呂医師に焦点を当てました。 しかし、本作品の構造は特殊であり、 勝呂医師について...
何度読み返しても戦慄を禁じ得ません 「海と毒薬」(遠藤周作)新潮文庫 戦争末期のF市大学病院。 その医局では橋本・権藤両教授が 権力を争っていた。 前部長の姪の手術に 失敗した橋本は、 名誉挽回のために軍部と接近、 米兵...
動画編集の技法でいうパン&ズームです 「沈黙」(遠藤周作)新潮文庫 前回取り上げた「沈黙」。 これだけ重いテーマを 突きつけているのにもかかわらず、 再読のたびにぐいぐいと 物語の中に引きずり込まれる 感覚を覚えるのは、...