中学校1年生に薦めたい本100冊vol.11 2月

はじめまして、文学。~世界の文学初歩の初歩

海外作品に目を向けると、
子どもたちのために書かれた作品が
非常に多いことに気付かされます。
ルイス・キャロル
「不思議の国のアリス」を著して以来、
欧米には児童文学という枠組みが
しっかりと位置付けられているからです。

そうした名作群の中から、
中学校1年生に薦めたい8冊を
セレクトしてみました。

その1
「ウィニー・ザ・プー」(A.A.ミルン)

イギリスの森で暮らしている
クマのプーは、
少年のクリストファー・ロビンと
大の仲良し。
今日も木の上のハチミツを
とろうとしたプーは、
ロビンから大きな風船を借りて、
ふわふわと浮き上がって
試してみるが、
うまくいかない…。

その2
「眠れる森の美女」(ペロー)

生まれてきた王女は、
仙女によって百年の眠りを
もたらさせる運命を背負う。
十五、六歳で
眠りについた王女を、百年後、
若い王子が目覚めさせる。
二人はすぐに結婚し、
二年の間に、
二人の子どもも生まれる。
しかし王子の母親は…。

その3
「にんじん」(ルナール)

赤い髪とそばかすのため、
家族から「にんじん」という
仇名で呼ばれている少年。
彼は姉兄二人と比べ、
不当な扱いを受けている。
押し付けられる雑用、
差別的な対応と
理不尽な怒りを見せる母親、
関心の薄い父親、
その中で少年は…。

その4
「あしながおじさん」(ウェブスター)

孤児院の少女・ジルーシャは、
17歳のある日、幸せを手にする。
月に一度、学生生活のようすを
報告する条件で、
大学に通わせてくれるという
紳士が現れたのだ。
彼女はその紳士を
「あしながおじさん」と名付け、
手紙を書き続ける…。

その5
「クリスマスキャロル」(ディケンズ)

クリスマス・イヴ、
守銭奴・スクルージの前に現れた
三人の精霊。
第一の精霊は
過去の自分とその周囲の人々、
続く第二の精霊は
現在の彼の周囲の
貧しくも心清らかな人々の
姿を見せる。
そして第三の精霊が
彼を導いて見せたものは…。

その6
「そばかすの少年」(ポーター)

片手を失い、
自分の本名すら知らない
孤児「そばかす」は、
「リンバロストの森」の番人として
働くことになる。
大人でさえ恐怖を抱く森と沼地、
孤独と恐怖、
厳しい自然と闘いながら、
愛情に包まれて「そばかす」は
逞しく成長していく…。

その7
「飛ぶ教室」(ケストナー)

クリスマス休暇が近づく
ギムナジウムでは、
少年たちの創作劇「飛ぶ教室」の
練習が進んでいた。
「飛ぶ教室」は作家志望の
ジョニーが書いた戯曲で、
学校が将来どのように
運営されるかを
描いたものだった。
その最中で事件が起こる…。

その8
「車輪の下で」(ヘッセ)

周囲の期待を一身に背負い、
神学校に優秀な成績で
合格したハンス。
しかし彼は
同級生とふれあううち、
自分の生き方に疑問を感じる。
やがて厳しい学校生活に
なじめなくなった彼は、
故郷で機械工として
新たな人生を始めるが…。

ここに掲げたいくつかは、
名作中の名作と呼ばれるものです。
あまりにも有名であるため、
かえって読んだことがないという方も
多いのではないでしょうか。
読んでみると、
新しい発見が数多くあります。
中学校1年生に強くお薦めする
作品群なのですが、
子どもだけのものにしておくのは
もったいないというものです。
大人でも、いや、大人こそ楽しめる
海外児童文学の世界です。

(2020.11.1)

Наталия КогутによるPixabayからの画像

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