中学校3年生に薦めたい本100冊vol.11 2月

卒業読書・本の森の到達点~海外の文豪8人

世界には、
文学の巨人たちが残した
偉大な作品群が
山のように聳え立っています。
若い段階から少しずつ
その山を登っていくことは
必要なことであり、
それはその人の生き方を
必ず豊かにしてくれるはずです。
義務教育の最終段階で到達すべき
海外の文学作品は何か?
一つの解答として
以下の8冊を提示します。

その1
「貧しき人々」(ドストエフスキー)

中年のしがない下級役人
マカールと、
向かいに住む
天涯孤独な娘
ワルワーラの二人は、
毎日手紙で励まし合い、
貧しさに耐えて生活していた。
一向に暮らし向きが
よくならないある日、
彼女のもとに地方地主の
ブイコフが訪れ…。

その2
「故郷」(魯迅)

家の売却のために
二十年ぶりに帰郷した「僕」は、
幼馴染みである
閏土(ルントウ)と再会する。
彼は幼い頃、
鳥の捕まえ方や
スイカ畑の番の仕方を
教えてくれた、
「僕」にとっての
「小さな英雄」だった。
しかし、再開した彼は…。

その3
「青い麦」(コレット)

幼馴染みの
フィリップとヴァンカは、
いつもの夏と同じように
ブルターニュの海辺で過ごす。
だが、
16歳と15歳になった今年は、
互いを異性として意識し始めていた。
そんな中、
年上の美しい女性・ダルレイが現れ、
フィリップは…。

その4
「ガリバー旅行記」(スウィフト)

船が難破し、救命ボートまで
転覆してしまった「わたし」は、
幸運にも陸地に
たどり着くことができた。
目覚めた「わたし」は、
手足もそして髪まで地面に
くくりつけられていた。
「わたし」を取り囲んでいたのは
小人の兵隊たちだった…。

その5
「蠅の王」(ゴールディング)

どことも知れない孤島に
取り残された少年たち。
大人のいない島で
彼らは隊長を選び、
救出されるのを待ちながら
平和な生活を送りはじめる。
やがて島には
野生の豚がいることがわかり、
狩猟を主張するものが現れ…。

その6
「月と六ペンス」(モーム)

失踪したストリックランド氏の
捜索を夫人から頼まれた「私」は
パリへと渡る。
安いホテルに滞在し、
その日暮らしをしていた氏は、
決して駆け落ちなど
したのではなかった。
妻子を捨て安定した生活を捨て、
氏が得ようとしたものは…。

その7
「デミアン」(ヘッセ)

些細な理由で
悪童クローマーに脅され
苦しむ「私」(シンクレール)は、
ある日、
町にやって来た少年デミアンに
救われる。デミアンは
明と暗の両者が存在する
二つの世界について語る。
それは「私」の心に衝撃を与え、
揺さぶり続ける…。

その8
「ハックルベリイ・フィンの冒険」
(トウェイン)

トムとの冒険の末に
大金持ちになり、
ダグラス未亡人の
養子となったハック。
それを聞きつけた父親が現れ、
彼を連れ去り監禁してしまう。
父親の元を抜け出した彼は、
屋敷の使用人であった
黒人・ジムと出会い、
一緒に逃亡する…。

難しい主題の作品もあります。
一度読んだだけでは
十分に理解できないかも知れない作品も
あります。
しかし思春期に出会うことが大切だと
感じています。

年を重ねてから再読したとき、
若かった頃に気づけなかった
大切なことに気がつくことがあります。
違った風景が
見えてくることもあります。
より深く
心に響いてくることがあります。
大人になって初めて出会うよりも、
若いときに一度読んでからの
再会の方が、
深い味わいにつながる
可能性が高いのです。
中学校3年生に強く薦めたい
海外の文学作品8冊です。

(2020.11.8)

JULIO VICENTEによるPixabayからの画像

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