「最新版 名曲名盤500」(「レコード芸術」編)

自分だけのベストの1枚を見つけ出すために

「最新版 名曲名盤500」
(「レコード芸術」編)音楽之友社

本は本ですが、
今日はいつものものと違い、
私の趣味のための本です。
本書はクラシック音楽の
有名曲500曲における
それぞれの同曲異演盤のCDから、
評論家の投票によって選出された
ベスト・ディスクを
紹介するというものです。

現在はネットでのCD情報も
充実しており、
どんなCDを買うべきか、
判断材料は豊富にあります。
しかし30年前、
そうした情報は雑誌「レコード芸術」と
その関連書籍ぐらいしか
ありませんでした。
本書の4代前の「名曲名盤300」
(1993年刊)をぼろぼろになるまで読み、
次はこのCDを買おう、
その次はあのCDを…、と
思いを巡らせていました。

本書はこれまでより200曲増え、
500曲についてベスト・ディスクを
解説したものです。
今では本書に掲載されている500曲、
持っていない曲目はありません。
また、名盤と呼ばれる盤の多くを
すでに所有しています。
もはや自分には
必要ないのではないか…、
そう思いながらも
内容が一新された本書を
4年前に購入しました。
その理由は何か?
それは自分の評価と
評論家たちのそれとの
相違を確かめたかったからです。

私は本に関わる当ブログのほかに、
もう一つ、音楽CDについて取り上げる
「ラバン船長の音盤は愉し」
開設しています。
その中で、
「シューベルト:
ピアノ五重奏曲・ます」

欄を見てみます。
私が評価している田部盤、
ルービン盤は、
見事に評論家たちに
選出されていますが、その一方で、
私が優秀ディスクに推した
フォーグラー盤は、評論家の方々は
誰も選んでいませんでした。

同様に「ベートーヴェン:
ヴァイオリン協奏曲」
については、
バティアシュヴィリ盤、
コパチンスカヤ盤の評価は
本書でも高かったのですが、
カン盤の将来性のある演奏には
誰も一票を投じていません。

実はここが大切で、
フォーグラー盤、カン盤のように、
自分が評価しているディスクが
本書の選から漏れていると、
「評論家さえも知らない
ディスクの価値を
自分は認めているのだ」と
一人で悦に入ることができるのです。

評論家の評価を
鵜呑みにするのではなく、
あくまでも自分身身の耳で
確かめることを
大切にしたいと思っています。
評論家の誰一人も推薦しない
ディスクの中から
自分だけのベストの1枚を見つけ出す。
これこそCD収集の醍醐味です。

取り上げたのはまだ
数十曲に過ぎません。
私だけのベスト・ディスクを、
これからもコツコツと
紹介していきたいと思います。
「ブックセイリング」同様、
「ラバン船長の音盤は愉し」も
よろしくお願い致します。

(2021.5.21)

Bruno /GermanyによるPixabayからの画像

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA