「世界一やさしい!細胞図鑑」

「生命を守る」というコンセプトで統一、確かに「やさしい」

「世界一やさしい!細胞図鑑」
 新星出版社

「世界一やさしい!細胞図鑑」新星出版社

ごめんよ。僕のからだ
…いままでたくさんいじめてきて
…もっと自分のからだを
いたわってあげれば
…よ…かっ…た……。
こうならないためにも
〝自分のからだの勉強〟は
欠かせないと思います。
「自分の勉強」を
していきましょう…。

中学校2年生で学習する「細胞」
でも、授業で取り上げても
今ひとつ面白くありません。
なぜなら、教科書で紹介されるのは
細胞膜と核が書かれた(動物細胞の場合)
日の丸弁当のような
イラストだからです。
でも、本当の「細胞」はもっと個性的!
それを分かりやすく示しているのが
本書です。
さまざまな姿を持つ人体の細胞について
懇切丁寧に解説しています。

〔本書の構成〕
プロローグ
はじめに
1章 細胞ってなに?
2章 血液の細胞
3章 脳と神経の細胞
4章 骨や筋肉の細胞
5章 内臓の細胞
6章 生殖器の細胞
7章 感覚器の細胞
8章 細胞の研究
エピローグ
索引

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今日のオススメ!

本書の「世界一の分かりやすさ」①
擬人化・マンガ・イラスでヴィジュアル化

最近流行の擬人化が成功しています。
わけのわからない構造を
示されるよりも、
擬人化してその役割を説明された方が
理解しやすいはずです。
その擬人化された
キャラクターを使って、
細胞どうしの関わりを
一つの社会集団と見なして
ストーリーを立て、
マンガとして表現しているのです。
これなら中学生でもだいじょうぶです。

「世界一やさしい!細胞図鑑」新星出版社

「細胞の構造」は
もちろんイラストですが、
学術書に掲載されているような
精密なものではありません。
模式的で平坦なイラストに
しているのですが、それがかえって
理解の促進につながるでしょう。
視覚的に捉えやすいのです。

「世界一やさしい!細胞図鑑」新星出版社

本書の「世界一の分かりやすさ」②
教えられているような語りかけの文体

もちろん文章も
分かりやすさが徹底しています。
一番の特徴は、
語りかけの文体であることです。
読んでいくと、誰かから丁寧に
教えられているような錯覚に陥ります。
「神経とは、
 全身に網のように張りめぐらされた
 情報ネットワークだ」
「神経のはたらきを
 防犯システムにたとえよう」

難しい言葉は一切使わず、
誰もが理解できる内容になっています。
この点においても、
中学生が何の苦もなく受け入れることが
可能となっているのです。

本書の「世界一の分かりやすさ」③
「生命を守る」というコンセプトで統一

そして全篇は、
自らの「生命を守る」という
コンセプトで統一され、
読み手が自分自身の問題として
捉えることが
できるようになっています。
「造血幹細胞」「白血球」
「マクロファージ」「グリア細胞」
「視細胞」といった工合に、
一つ一つの細胞のはたらきを
解説しながら、
生命維持という基本線で
すべてがつながるように
構成が工夫されているのです。

最初から読み通すのが一番なのですが、
本書の場合、パラパラと頁をめくって、
思いついたところを
つまみ読みしても十分役立ちます。
どこからでも読めるのです。
手元にあれば、
気が向いたときにパラパラ、
鞄の中にあれば、
電車待ちの時間にパラパラ、
教室の机の中にあれば、
朝読書の時間にパラパラ。
こうした分野に対する
興味関心が高まることにより、
学習そのものへの意欲が
確実に向上すると考えられます。

ぜひ、お子さんの
勉強部屋にさりげなく一冊、
学校図書館や教室にさりげなく一冊、
子どもたちが本書を手にする環境を
整えてあげたいものです。
もちろん大人のあなたが読んでも
十分に愉しめます。
ぜひご一読を。

(2023.2.28)

Darwin LaganzonによるPixabayからの画像

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