「文づかひ」(森鴎外)①
終末に向けて盛り上がるミステリアスとロマンチック 「文づかひ」(森鴎外) (「森鴎外全集Ⅰ」)ちくま文庫 ドイツに洋行した 「われ」(=小林大尉)は、 デウベン城のビユロオ伯爵の 娘・イイダ姫と知り合う。 彼女は友人・メ...
終末に向けて盛り上がるミステリアスとロマンチック 「文づかひ」(森鴎外) (「森鴎外全集Ⅰ」)ちくま文庫 ドイツに洋行した 「われ」(=小林大尉)は、 デウベン城のビユロオ伯爵の 娘・イイダ姫と知り合う。 彼女は友人・メ...
「狂ったふり」のマリイ・「狂ってしまった」国王 「うたかたの記」(森鴎外) (「森鴎外全集Ⅰ」)ちくま文庫 ドイツ・ミュンヘンに留学中の 日本画学生・巨勢は、 以前ドレスデンで一目惚れをした マリイと再会する。 マリイは...
悲劇を決定的にしたのは友人・相沢の存在 「舞姫」(森鴎外) (「森鴎外全集1」)ちくま文庫 本作品を取り上げた前回、前々回で、 主人公・太田豊太郎が 封建人から自我に目覚めた近代人へと 変化したことを書きました。 そのこ...
エリスと出会う前に豊太郎は悲劇の渦中にいた 「舞姫」(森鴎外) (「森鴎外全集1」)ちくま文庫 先日は「舞姫」の主人公・太田豊太郎が 封建人としてドイツ留学に 臨んでいたことを取り上げました。 彼がそのまま 封建人であり...
冒頭で丁寧に描かれている封建人・太田豊太郎 「舞姫」(森鴎外) (「森鴎外全集1」)ちくま文庫 ベルリン留学中の豊太郎は、 不幸な少女・エリスと出会い、 恋に陥る。 同郷人がそれを讒訴したために、 豊太郎は官費支給を打ち...
成長とは何かについて考えさせられる傑作短篇 「木精」(森鷗外) (「森鷗外全集2」)ちくま文庫 山の谷間でいつも「ハルロオ」と呼びかけるフランツの声に、いつも木精(こだま)は太い声で答えてくれる。何年かして再びその谷間に...
大塩平八郎像を大きく転換させた作品 「大塩平八郎」(森鴎外) (「森鴎外全集5」)ちくま文庫 策の施すべきものが無い。 しかし理を以て推せば、 これが人世必然の勢だとして 旁看するか、 町奉行以下諸役人や市中の富豪に 進...
まるで暗号文で書かれたかのような 「杯」(森鷗外) (「山椒大夫・高瀬舟」)新潮文庫 「杯」(森鷗外)(「森鷗外全集2」)ちくま文庫 清冽な泉に、おそろいの浴衣を着た七人の少女が集う。彼女達はみな「自然」と書かれた銀の杯...
日本文学黎明期に完成した格調高い成長物語 「青年」(森鷗外)新潮文庫 「青年」(森鷗外)(「森鷗外全集2」)ちくま文庫 作家志望の青年・小泉純一は、上京し、著名作家を訪ねたり、医大生大村に啓発されたりして過ごしていた。あ...