「アウグスツス」(ヘッセ)
ほんとうの幸せとは何かという問い 「アウグスツス」(ヘッセ/高橋健二訳)(「メルヒェン」)新潮文庫 「お子さんにとって一ばんよいと思われることを考えてみなさい。かなえられるだろう」。隣家の老人の言葉を信じ、母親は「みんな...
ほんとうの幸せとは何かという問い 「アウグスツス」(ヘッセ/高橋健二訳)(「メルヒェン」)新潮文庫 「お子さんにとって一ばんよいと思われることを考えてみなさい。かなえられるだろう」。隣家の老人の言葉を信じ、母親は「みんな...
自らの運命を切り拓いている主人公たち 「百年文庫093 転」ポプラ社 百年文庫第93巻、テーマは「転」。人生の「転」機を迎えた人間の姿が描かれた三編が集められています。しかしそれは運命に翻弄されているわけではなく、自らの...
石乳の形成過程における自然の静謐さ 「石乳」(シュティフター/藤村宏訳)(「みかげ石 他二篇」)岩波文庫 わたくしたちの祖国に、一つの城がある。この城は、方々でよく見かけるように、広い濠をめぐらしていて、池の中にある島の...
乞食道を精進する、師弟二人。 「神様、お慈悲を!」(リール/山崎恒裕訳)(「百年文庫093 転」)ポプラ社 大聖堂の南玄関の一等地をあてがわれ、許可書まで手に入れている物乞いのハンス。老境にさしかかった彼は、同業の若者・...
穏やかな時間が流れていきます 「人形使いのポーレ」(シュトルム/松永美穂訳)(「みずうみ/三色すみれ/ 人形使いのポーレ」) 光文社古典新訳文庫 旅回りの人形芝居を観た「わたし」は、夢に人形カスペルルが現れるほどに魅了...
本作品が問いかける「才能とは何か」 「石灰石」(シュティフター/手塚富雄訳)(「みかげ石 他二篇」)岩波文庫 石灰岩台地の広がるシュタインカールの地を、測量のために訪れた「わたし」は、貧しい姿の牧師と再会する。ある日、突...
描き尽くされる、二人の心の揺れ動き 「三色すみれ」(シュトルム/松永美穂訳)(「みずうみ/三色すみれ/ 人形使いのポーレ」) 光文社古典新訳文庫 イネスは夫ルドルフとともに屋敷に入るが、前妻の子ネージーは彼女になかなか...
大人の私たちも、同じ目線で味わうべき 「エーミールと探偵たち」(ケストナー/池田香代子訳) 岩波少年文庫 どろぼうは乱暴にドアをあけると、表にとびだした。通りに出てみると、どろぼうはすでに、すくなくとも二十人の男の子たち...
「城」のような堅固さと難解さ、そして溢れる滋味 「百年文庫057 城」ポプラ社 百年文庫第57巻を読了しました。本書のテーマは「城」。とはいえ、建築物としての「城」を主題とした作品群ではありません。それぞれ「城」と関係は...
その計算され尽くした、緻密な筋書きの妙 「ノヴェレ」(ゲーテ/小牧建夫訳)(「百年文庫057 城」)ポプラ社 火の手の広がる市場へと向かう公爵夫人と従者ホノーリオの前に現れた猛獣・虎。混乱する市場の見世物小屋から逃げ出し...