「曇った硝子」(森茉莉)
静かに浮かび上がる作者の実生活とその情念 「曇った硝子」(森茉莉)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 魔利の部屋では何でもがすぐに無くなる。まるで魔のように、無くなる。すると、不安な心と、小さな後悔とが、魔利の胸...
静かに浮かび上がる作者の実生活とその情念 「曇った硝子」(森茉莉)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 魔利の部屋では何でもがすぐに無くなる。まるで魔のように、無くなる。すると、不安な心と、小さな後悔とが、魔利の胸...
屈折した自分を客観的に表現した「魔利像」 「薔薇くい姫」(森茉莉)(「薔薇くい姫/枯葉の寝床」) 講談社文芸文庫(「百年文庫067 花」)ポプラ社 魔利は、腎臓という持病持ちだが、この病気が魔利の体にとり憑いたのは十二の...
高度経済成長期は日本の文学復興をも呼び込んだ 「日本文学100年の名作 第5巻 百万円煎餅」新潮文庫 「毛澤西」(邱永漢)1950年代の香港。フェリー・ボートから降りる客相手の新聞売りたちの多くは無許可営業であり、取...
貧乏でありながらも贅沢に生きる 「贅沢貧乏」(森茉莉)(「日本文学100年の名作第5巻」) 新潮文庫 牟礼魔利の部屋を細叙し始めたら、それは際限のないことである。牟礼魔利は、自分の部屋の中のことに関しては、細心の注意を払...