「米百俵」(山本有三)②
まるで戦争のプロパガンダです 「米百俵」(山本有三)新潮文庫 本作品を読み、前回は 現在の日本の姿との乖離について 私見を述べました。 戊辰戦争の長岡藩に限らず、 この国自体が教育の力で 幾度となく復興してきたのです。 ...
まるで戦争のプロパガンダです 「米百俵」(山本有三)新潮文庫 本作品を読み、前回は 現在の日本の姿との乖離について 私見を述べました。 戊辰戦争の長岡藩に限らず、 この国自体が教育の力で 幾度となく復興してきたのです。 ...
教育こそ未来を創る 「米百俵」(山本有三)新潮文庫 戊辰戦争で焦土と化した 城下町・長岡。 その窮状を見かねた支藩より 見舞いの米百俵が届く。 配分を心待ちにする 藩士が手にしたのは 「米を売り学校を建てる」との通達。 ...
未完成でも良いものは良い! 「路傍の石」(山本有三)新潮文庫 学問に秀でながらも 貧しさゆえに中学に 進学することができなかった吾一。 彼は人生の矛盾と悲哀を感じながら 奉公先で辛い日々を送る。 やがて母の死を期に、 た...
「甘い」けれども「潔い」 「チョコレート」(山本有三) (「百年文庫044 汝」)ポプラ社 就職にあふれていた恭一は、 実業家として成功した父親から いつも渋い顔で見られていた。 ある日、彼は父親から 「愛国紡績の専務が...
時代の流れに逆らう痛烈な批判 「日清戦争異聞(原田重吉の夢)」 (萩原朔太郎) (「猫町 他十七篇」)岩波文庫 日清戦争において、玄武門の城壁をよじ登り、門を乗り越えて敵中に降り立った英雄・原田重吉は、金鵄勲章を授章して...
朔太郎は仮想空間で羽ばたいた 「ウォーソン夫人の黒猫」 (萩原朔太郎) (「猫町 他十七篇」)岩波文庫 頭脳明晰なウォーソン夫人。 ある日、彼女が帰宅すると、 部屋の中に黒猫がいた。 どこにも入る隙間がないのに、 黒猫は...
群集の中に在っての孤独 「青猫」(萩原朔太郎) (「萩原朔太郎詩集」)新潮文庫 前回、萩原朔太郎の 「猫町」を紹介しましたので、 やはりこれを 取り上げなければなりません。 本詩集は「月に吠える」に続く、 著者の第二詩集...
若い人たちを日本文学へ誘う一冊 「猫町+心象写真」 (萩原朔太郎+心象写真制作スタッフ) KKベストセラーズ 萩原朔太郎の「猫町」に魅せられ、 こんな本まで買ってしまいました。 標題の通り、「猫町」に、 そのイメージを...
「若い人」と「明治の文学」との距離を縮める試み 「猫町」(萩原朔太郎) (絵:しきみ)立東舎 以前取り上げた 夢野久作「瓶詰地獄」 (絵:ホノジロトヲジ)と同じ 立東舎からのシリーズの一冊です。 本書も楽しく読むことがで...
確信犯的な幻影体験なのです 「猫町」(萩原朔太郎) (「日本文学100年の名作第3巻」) 新潮文庫 詩人の「私」は、散歩の途中で 方角が分からなくなり、 近所の町でさえ 見知らぬ場所に感じる経験を 度々してしまう。 「...