「ロリータ」(ナボコフ)
何度も咀嚼する必要のある、多くの「顔」を持つ作品 「ロリータ」(ナボコフ/若島正訳) 新潮文庫 12歳の少女・ロリータ(ドローレス・ヘイズ)に一目惚れした文学者・ハンバートは、彼女に近づく好機として、彼女の母親・シャーロ...
何度も咀嚼する必要のある、多くの「顔」を持つ作品 「ロリータ」(ナボコフ/若島正訳) 新潮文庫 12歳の少女・ロリータ(ドローレス・ヘイズ)に一目惚れした文学者・ハンバートは、彼女に近づく好機として、彼女の母親・シャーロ...
清く正しい出版社・ポプラ社らしからぬ一冊 「百年文庫032 黒」ポプラ社 「牧師の黒のベール ホーソーン」司祭フーパーはある日、黒いベールで顔を覆って説教壇に立つ。村は騒然となり、非難と噂が飛び交う。教会の代表者たちや、...
「死」という素材を用いて編み上げた短篇 「板張りの窓」「豹の目」(ビアス/小川高義訳)(「アウルクリーク橋の出来事/豹の目」) 光文社古典新訳文庫 森の奥に住んでいるマーロックは、病で妻を亡くす。悲嘆に暮れたまま眠りに落...
三者三様の生き方、死に方 「百年文庫021 命」ポプラ社 「レナ・ヴィース シュトルム」少年時代の「私」の、かけがえのない友人のパン屋の娘レナ・ヴィース。彼女は幼い頃にかかった疱瘡の跡さえなければ美しい女性であったに違い...
不器用な生き方を、突き放した立場で描いた作品群 「掃除婦のための手引き書」(ルシア・ベルリン/岸本佐知子訳) 講談社文庫 手抜きしない掃除婦だと思わせること、初日は、家具をぜんぶまちがって戻す――五インチ、十インチずらし...
これは本好きにはたまりません。 「書店主フィクリーのものがたり」(ゼヴィン/小尾美佐訳) ハヤカワepi文庫 妻を亡くして失意の書店主フィクリーは、ある日、秘蔵の稀覯本を盗まれ、打ちひしがれる。ところがその後、店に捨てら...
「諦めない」とはこういうレベルのことだよ 「十二番目の天使」(マンディーノ/坂本貢一訳)求龍堂 妻と一人息子を突然の事故で失ったジョン。生きる希望を失いかけたとき、親友・ビルが持ってきたのはリトルリーグ監督就任の話だった...
私たちの生活は「選択」の連続です。 「百年文庫036 賭」ポプラ社 「マークハイム スティーヴンスン」クリスマスの日、骨董品店で起きた殺人事件。店主をナイフで刺し殺したマークハイム。彼が金を奪って立ち去ろうとしたとき、突...
「娘」たちの鮮烈な季節を描いた三作品 「百年文庫071 娘」ポプラ社 「片意地娘 ハイゼ」若い船頭・アントニーノは、町娘・ラウレラに想いを寄せる。しかし彼女は彼の好意を受け入れようとしない。父に苦しめられた母を見て、彼女...
三者三様の「庭」の姿 「百年文庫015 庭」ポプラ社 「庭の眺め 梅崎春生」庭というほどのものではない。方六七間ばかりの空き地である。以前ぐるりを囲っていた竹垣は、今は折れたり朽ちたりして、ほとんど原型を失っている。あち...