「遙拝隊長」(井伏鱒二)
優しさとおかしみの向こう側にある悲しみ 「遙拝隊長」(井伏鱒二) (「日本文学100年の名作第4巻」) 新潮文庫 元陸軍中尉・岡崎悠一は、 戦時中ことあるごとに 東方に向けて遙拝を繰り返す 「遙拝隊長」として知られてい...
優しさとおかしみの向こう側にある悲しみ 「遙拝隊長」(井伏鱒二) (「日本文学100年の名作第4巻」) 新潮文庫 元陸軍中尉・岡崎悠一は、 戦時中ことあるごとに 東方に向けて遙拝を繰り返す 「遙拝隊長」として知られてい...
全てのことが「上」「下」で対比される構造 「変な音」(夏目漱石) (「文鳥・夢十夜」)新潮文庫 入院中の「自分」は 隣室から聞こえる 大根をするような「変な音」が 気になって仕方がない。 三ヶ月後に再入院した「自分」は、...
がんばれニッポン! 「夏から夏へ」 (佐藤多佳子)集英社文庫 ※本記事は2016年7月に Yahoo!ブログへ投稿したものを 一部修正したものです。 ずっと前から読みたかったのです。 オリンピック前に。 いえいえ、リ...
まるで暗号文で書かれたかのような 「杯」(森鷗外) (「山椒大夫・高瀬舟」)新潮文庫 「杯」(森鷗外)(「森鷗外全集2」)ちくま文庫 清冽な泉に、おそろいの浴衣を着た七人の少女が集う。彼女達はみな「自然」と書かれた銀の杯...
日本文学黎明期に完成した格調高い成長物語 「青年」(森鷗外)新潮文庫 「青年」(森鷗外)(「森鷗外全集2」)ちくま文庫 作家志望の青年・小泉純一は、上京し、著名作家を訪ねたり、医大生大村に啓発されたりして過ごしていた。あ...