「質問する、問い返す」(名古谷隆彦)①

これまで以上に「学び」が変わってきている

「質問する、問い返す」(名古谷隆彦)岩波ジュニア新書

アクティブ・ラーニングという言葉を
知っていますか?
これからの教育の
キー・ワードとなっています。
教師が一方的に話し、
生徒は黙って聞いているだけの
授業から脱却し、
子どもたちが「主体的に学ぶ」
授業の在り方を意味しています。

私が担当している理科という教科は、
観察・実験を行い、
その結果から考えることが
学習活動の主となる関係で、
これまでも決して
一方的な教え込みには
なっていないはずです
(もっとも話し合う、
議論するという点においては
必ずしも十分ではありませんでしたが)。
それが推し進められるのであれば、
大いに賛成です。

その、「主体的な学び」の本質と
それに向かう姿勢について
述べられているのが本書です。
中高生向けの
岩波ジュニア新書なのですが、
内容はどう読んでも
教育関係者か中高生の保護者に
向けたものです。
参考になる部分が多々ありました。

「第2章 「正解主義」を越えて」
「諸外国のように論理学の授業はなく、
 日本人はほとんど体系的に
 論理を学ばないまま大人になります」

それが論理に弱い日本人、
その場の空気に流される日本人の
元凶だったのかと合点がいきました。

「第3章 何のために学ぶのか」
「企業が求める人材に
 進んでなる必要はありませんが、
 社会が求める能力には
 相応の理由があります。
 求められる力が、
 教科学力から
 明らかに移行しつつある現状は、
 きちんと把握しておいた方が
 よいでしょう。」

これまで教科で身に付けさせた
学力以外の部分が、
これからは重要になるのです。
そのための学校の在り方、
授業の在り方を、
文科省の方針云々ではなく、
教員を含めた全ての大人たちが
考えていかなくてはならないのだと
思います。

「第4章 主体的な学びって何?」
「先生が子どもを導くべき場所は、
 学びの「入口」でしょうか、
 それとも「出口」でしょうか」

私たち教員は、
これまで子どもたちを、
学習内容がどれだけ定着したかという
「出口」に案内してきたのではないかと
考えさせられました。
本当は学びの「入口」に
誘うべきだったのでしょう。

それにしてもトレンドが
めまぐるしく変わる教育の世界。
私もあと10年、
この世界で仕事を
続けることになります。
これまで以上に
「学び」が変わってきていることを
自覚しながら、
子どもたちに
関わっていこうと思います。

(2019.3.6)

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