「読みたい心に火をつけろ!」(木下通子)

私の読みたい心にもさらに火がついた!

「読みたい心に火をつけろ!」
(木下通子)岩波ジュニア新書

やっぱり学校図書館って素晴らしい!
そういう気持ちに
させられる一冊です。
現役の学校司書である著者が、
学校図書館を活性化させるために
日々奮戦している様子が
熱く伝わってきます。
私の読みたい心にも
さらに火がつきました。

「1章 何かお探しですか?」
学校司書として生徒と関わる中で、
どのようにして本好きの子どもを
増やすことができるか、
豊かな経験に裏打ちされた
実践の数々が紹介されています。

「2章 学校全体で「読む」を育む」
数年前から話題になっている
ビブリオバトル。
その試行錯誤を通して、
学校全体で読書活動の推進に
取り組んだ実例が報告されています。

「3章 地域で「読む」を支える」
著者が学校司書として
採用される経緯を振り返りながら、
学校司書どうしが連携し、
ネットワークを創り上げ、
地域全体で図書館の利用環境を
整える活動が記されています。

「4章 人と本がつながると、
    人と人とがつながる」

学校司書の必要性を訴える
イベントを通し、
人と人がつながっていく様子が
語られていきます。

「5章 「読む」ことって何だろう?」
人が本を読むことの
意味と意義について、
筆者自身の経験から導かれた見解が、
さまざまな角度から
述べられています。

中学生高校生が読めば、
今すぐにでも学校の図書館に
駆けつけたくなるでしょう。
学校関係者が読めば、
自分の勤務校の図書館を見直す
きっかけになると考えます。
中学生高校生の子を持つ親が読めば、
わが子の通う学校の図書館の
様子が気になり出すと思います。
学校に無関係な大人が読めば、
地域の図書館に
足を運んでみようという
気になるはずです。

さて、高校の学校図書館と
小中学校の図書館は
天と地ほどの違いがあります。
私も2年前までは
高校に勤務していたので、
それが実感としてわかります。
小中学校の図書館は、
学校司書が不在か非常勤であり、
予算も限られ、
図書室スペースも極めて窮屈です。
私の住み地域では、
学校図書館にかけられる予算が
「高>中>小」であるのに対し、
利用状況は
「小>中>高」なのです。

それでも私の勤務校では
若い学校司書さん(週2日勤務)が、
情熱と創意工夫を持って
図書館をかなり使いやすいものに
してくれています。
全国の小中学校の図書館は
どのようなものでしょうか。

(2019.7.3)

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