「待つ」(太宰治)
娘は一体、誰を待っているのだろう? 「待つ」(太宰治)(「新ハムレット」)新潮文庫 省線の小さい駅に「私」は毎日、人を迎えにいく。誰ともわからぬ人を迎えに。駅に立ち寄り、駅の冷いベンチに腰をおろし、ぼんやり坐っている。「...
娘は一体、誰を待っているのだろう? 「待つ」(太宰治)(「新ハムレット」)新潮文庫 省線の小さい駅に「私」は毎日、人を迎えにいく。誰ともわからぬ人を迎えに。駅に立ち寄り、駅の冷いベンチに腰をおろし、ぼんやり坐っている。「...
ここに太宰の小説の上手さが凝縮されています 「眉山」(太宰治)(「戦後短篇小説再発見①」) 講談社文芸文庫 「眉山」(太宰治)(「グッド・バイ」)新潮文庫 「僕」の行きつけの店の女中・トシちゃんは大の小説好き。あだ名は眉...
単なる古典的大作品のパロディなのか? 「新ハムレット」(太宰治)新潮文庫 前回は本作品を、無理やりデンマーク国王殺人事件のミステリー小説として取り上げました。もちろん太宰はそんなつもりはなかったでしょう。では、本作品の立...
謎を解かないミステリー小説なのです。 「新ハムレット」(太宰治)新潮文庫 ハムレットは里帰りしたホレイショから、大学で広まっているよからぬ噂を聞く。一つは「ハムレットの乱心」、もう一つは「城に現れる幽霊」についてであった...
文豪・太宰の女性への観察眼 「美少女」(太宰治) (「新樹の言葉」)新潮文庫 「美少女」(太宰治)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 暑熱にやられた「私」と妻は、 近くの温泉へと湯治に出掛ける。 浴場には二組家族...
では、どこにどういう手を加えたのか? 「盲人独笑」(太宰治) (「お伽草紙」)新潮文庫 葛原勾当。 失明するに及び琴を学ぶ。 十一歳、早くも近隣に 師と為すべき者無きに至る。 京都に上り、松野検校に入門、 傍ら作曲し、そ...
太宰自身による痛烈な自己批判 「おさん」(太宰治) (「ヴィヨンの妻」)新潮文庫 疎開先の青森が被災したため、 子どもとともに 東京に戻ってきた「私」。 だが東京の家も半壊したまま。 そして勤務先が罹災し、 失業者となっ...
告白によって太宰が達した境地 「燈籠」(太宰治) (「きりぎりす」)新潮文庫 前回取り上げた太宰の「燈籠」。 誰に向かって何を告白しているのか、 考察してみました。 告白の対象は神、告白の内容は、 一度外の世界へと向き始...
告白によってさき子が達した境地 「燈籠」(太宰治) (「きりぎりす」)新潮文庫 貧しい家の娘さき子は、 病院で出会った水野と知り合い、 心惹かれる。 水野が友達と 海へ行く話をしたとき、 楽しそうな様子が 見えなかったこ...
健全な魂の宿っていた時期の太宰を味わってみませんか 「満願」(太宰治) (「走れメロス」)新潮文庫 仲良くなった医者の家で 新聞を読んでいた「私」は、 玄関先で医者がある若い女性に 「奥さま、もう少しのご辛棒ですよ」と ...