「百年文庫024 川」
ゆく河の流れは絶えずして 「百年文庫024 川」ポプラ社 「蛍 織田作之助」「耳の肉のうすい女は不運になり易い」という伯父の言葉を信じ、自分の行く末をあらかじめ諦めるようになった登勢。彼女は船宿寺田屋に嫁ぐが、夫は頼りな...
ゆく河の流れは絶えずして 「百年文庫024 川」ポプラ社 「蛍 織田作之助」「耳の肉のうすい女は不運になり易い」という伯父の言葉を信じ、自分の行く末をあらかじめ諦めるようになった登勢。彼女は船宿寺田屋に嫁ぐが、夫は頼りな...
いや、大人版「不思議の国のアリス」です。 「S・カルマ氏の犯罪」(安部公房)(「壁」)新潮文庫 その瞬間、ぼくはもう一人のぼくの正態を見破ってしまったのです。それはぼくの名刺でした。そう思ってみれば、それはどう見ても見ま...
新潮文庫「飢餓同盟」における二つのヴァージョン 「飢餓同盟(1970年版)」(安部公房) 新潮文庫 この町自体が、まさに一つの巨大な病棟だ。どうやら精神科の医者の出るまくなどではなさそうである。傷だらけになった飢餓同盟に...
だからといって寓話ではない、異色の安部作品 「飢餓同盟(1954年版)」(安部公房) 新潮文庫 温泉が枯渇し、行き詰まった町・花園。閉ざされた片田舎で疎外された人間たちは、秘密結社「飢餓同盟」を結成し、権力者の牛耳るこの...
「現実」と「異世界」の間にある「壁」 「百年文庫076 壁」ポプラ社 「ヨナ カミュ」…カンヴァス、それは全然白のままだった。その中央にヨナは実に細かい文字で、やっと判読できる一語を書き残していた。が、その言葉は、sol...
新旧の価値観のせめぎ合いこそ堪能すべき 「あこがれ」(阿部昭)(「教科書名短篇 少年時代」)中公文庫 春がきた。ところが少年はねむいどころではなかった。朝も起こされなくてもちゃんと目をさます。とびおきて布団をまくりあげ、...
純粋な男女の切ない思いを染め上げる雪の情景 「罪な女」(藤原審爾)(「百年文庫019 里」)ポプラ社 明るい性格のお愛は、新聞記者の大町にひかれ始める。深くなってはいけないと思いながらも、お愛は次第に大町から離れられなく...
友人のために安部が文章として建立した墓標 「終りし道の標べに(真善美社版)」(安部公房)講談社文芸文庫 何故そうしつように故郷を拒んだのだ。僕だけが帰って来たことさえ君は拒むだろうか。そんなにも愛されることを拒み客死せね...
常識の範囲内では受け入れ不可能の未来の到来 「第四間氷期」(安部公房)新潮文庫 先生は、未来というものを、日常の連続としてしか想像できなかった。断絶した未来…この現実を否定し、破壊してしまうかもしれないような、飛躍した未...