「竹取物語 全訳注」(上坂信男)
「竹取物語」ですでに、日本文学は完成していた 「竹取物語 全訳注」(上坂信男) 講談社学術文庫 今は昔、竹取の翁といふもの有けり。野山にまじりて竹を取りつつ、万の事に使ひけり。名をばさるきのみやつことなん言ひける。その竹...
「竹取物語」ですでに、日本文学は完成していた 「竹取物語 全訳注」(上坂信男) 講談社学術文庫 今は昔、竹取の翁といふもの有けり。野山にまじりて竹を取りつつ、万の事に使ひけり。名をばさるきのみやつことなん言ひける。その竹...
八百年前の日本に、現代は酷似している 「方丈記」(鴨長明/蜂飼耳) 光文社古典新訳文庫 川の流れは絶えまなく、その水はいつも入れ替わり、もとの水はとどまらない。よどみに浮かぶ泡は、消えたかと思うと生まれ、いつまでもそのま...
紫式部による平安時代中期に成立した日本の長編物語。主人公・光源氏を通して、男女の恋愛、政治権力の闘争、栄光と没落など、平安時代の貴族社会を描いた。物語には紫式部の文学観・芸術観・教育観などが随所にちりばめられている。 〔...
本書「源氏物語」について 「源氏物語」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 今年一年かけて読み通した本書「源氏物語」。本書を知ったのは十年前の2010年のことです。図書館で本書に出会って以来、何とかして手に入れたいと思ってい...
源氏物語とは何か? 「源氏物語」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 源氏物語とは何か。この一年間、源氏物語の原文を収録した本書を中心に(その参考書として寂聴訳・谷崎訳・与謝野訳の、三種の源氏物語を並行して拾い読みし)、全五...
寂聴版源氏物語はなぜ注釈がないか? 「寂聴訳 源氏物語 巻十」(紫式部/瀬戸内寂聴訳)講談社文庫 匂宮の激しい情熱的な愛情に身を任せる浮舟だが、同時に薫の献身的で穏やかな愛をも拒みきれない。その板挟みに悩んだ浮舟は入水自...
紫式部が苦悩の末にたどり着いた女性の生き方 「源氏物語 夢浮橋」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 薫は比叡山に横川の僧都を訪ね、浮舟の出家のいきさつを知る。浮舟の住む家へと僧都に案内を請う薫に対し、彼女の道心を乱す仏罰を...
源氏の女性たちの出家 「源氏物語 手習」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 比叡山の横川の僧都一行は森陰に倒れている女を発見する。それは行方不明となっていた浮舟であった。妹尼は泣き娘の代わりに神から授かったと考え、懸命に介...
きっと源氏物語を読みたくなる 「平安人の心で「源氏物語」を読む」(山本淳子)朝日新聞出版 5年ほど前、源氏物語の現代語訳(寂聴訳と谷崎訳)を初めて読みました。大きな感動がありましたが、同時に「よくわからない部分」も多々あ...
行間を鮮やかに描出する、心憎いまでの演出 「あさきゆめみし7」(大和和紀) 講談社漫画文庫 匂宮の情熱的な愛情に身を任せる浮舟だが、同時に薫の献身的な愛も拒みきれない。その板挟みに悩んだ彼女は自ら命を絶つ決意をする。比叡...