「明暗」(夏目漱石)③
漱石は本作品を完成させるつもりだったのか? 「明暗」(夏目漱石)新潮文庫 前々回は本作品の 個性的な登場人物について、 前回は視点人物の移動がもたらす 効果について書きました。 魅力のつきない作品であり、 未完成で終わっ...
漱石は本作品を完成させるつもりだったのか? 「明暗」(夏目漱石)新潮文庫 前々回は本作品の 個性的な登場人物について、 前回は視点人物の移動がもたらす 効果について書きました。 魅力のつきない作品であり、 未完成で終わっ...
視点人物の移動と実況中継される心理戦 「明暗」(夏目漱石)新潮文庫 昨日、本作品は他のどの漱石作品とも 違っていると書き、その一つとして 個性的な登場人物について述べました。 本作品のもう一つの特徴は、 三人称で書かれ、...
一癖も二癖もある人物が作品中に蠢いている 「明暗」(夏目漱石)新潮文庫 周囲に円満な関係を 示そうとする津田と、 夫から愛されようと願うお延との 夫婦関係はしっくりいっていない。 二人は津田の妹・秀子や 津田の上司・吉川...
優しさとおかしみの向こう側にある悲しみ 「遙拝隊長」(井伏鱒二) (「日本文学100年の名作第4巻」) 新潮文庫 元陸軍中尉・岡崎悠一は、 戦時中ことあるごとに 東方に向けて遙拝を繰り返す 「遙拝隊長」として知られてい...
全てのことが「上」「下」で対比される構造 「変な音」(夏目漱石) (「文鳥・夢十夜」)新潮文庫 入院中の「自分」は 隣室から聞こえる 大根をするような「変な音」が 気になって仕方がない。 三ヶ月後に再入院した「自分」は、...
がんばれニッポン! 「夏から夏へ」 (佐藤多佳子)集英社文庫 ※本記事は2016年7月に Yahoo!ブログへ投稿したものを 一部修正したものです。 ずっと前から読みたかったのです。 オリンピック前に。 いえいえ、リ...
まるで暗号文で書かれたかのような 「杯」(森鷗外) (「山椒大夫・高瀬舟」)新潮文庫 「杯」(森鷗外)(「森鷗外全集2」)ちくま文庫 清冽な泉に、おそろいの浴衣を着た七人の少女が集う。彼女達はみな「自然」と書かれた銀の杯...
日本文学黎明期に完成した格調高い成長物語 「青年」(森鷗外)新潮文庫 「青年」(森鷗外)(「森鷗外全集2」)ちくま文庫 作家志望の青年・小泉純一は、上京し、著名作家を訪ねたり、医大生大村に啓発されたりして過ごしていた。あ...