これこそ一家に一冊備え付けておくべき本
「世界で一番美しい元素図鑑」
（グレイ）創元社
これこそ一家に一冊
備え付けておくべき本です。
書斎ではなく
リビングに置いておけば、
家族のみんながペラペラと
ページをめくっていくはずです。
化学に関心のある方も、
化学なんで無理！と諦めている方も、
これなら興味が湧くはずです。
この図鑑の素晴らしさは
センスの良さです。
学術的な雰囲気を排し、
徹底してビジュアルに
特化している点が、
万人に受け入れられたのだと
思うのです。
左頁には元素記号と原子番号、
そしてその元素の単体
(その元素のみで構成されている物質)の
写真がデカデカと掲載されています。
それも工夫が施され、
例えば水素Hでは
ハッブル望遠鏡によるワシ星雲の写真、
酸素Oでは
液体酸素の薄青色の写真となっていて、
これがまた美しいのです。
書名に偽りはありません。
そして右頁には解説と
それが使われている製品の写真が
配置されています。
解説は決して難しくなく、
むしろコラムもしくは
エッセイという趣です。
読んで楽しくためになる。
素晴らしいです。
使用されている製品も
｢えっ、こんなものに使われてるの!?｣と
唸りたくなるようなセレクト。
絶品です。
それらがブラックを背景としているため、
化学の図鑑というより
写真集を眺めている気分です。
後続のこの手の化学図鑑が
みなこの形式を
採用しているくらいですから、
たいしたものです。
さらに右端のごくせまいスペースに
詳細なデータ(周期表上の位置、
原子量、密度、原子半径、
電子配置図、結晶構造図、発光スペクトル、
温度に対する状態)が
正確に記されています。
実は私はこの部分が重宝しました。
いろいろな化学の理論書を見ても、
一つ一つの詳細なデータが
掲載されていないことが多いのです。
中学生はいざ知らず、
高校生の授業での高度な質問は、
全て本図鑑が解決してくれました。
私たちの身体をはじめ、
世界は全てこれらの元素の
組み合わせで成り立っている、
それを視覚的に実感できる
見事な図鑑です。
現在、Amazonで税込み￥4,104。
決して高い買い物ではありません。
ぜひあなたの家のリビングに
置いてみませんか。
※実はこれを取り上げたくて
うずうずしていました。
私が紹介するまでもなく
全世界でベストセラーになった
本であるため、
今日までがまんしていました。
（2017.7.6）
