「短歌は最強アイテム」(千葉聡)

教師という仕事はこれだけ魅力に満ちているのです

「短歌は最強アイテム」(千葉聡)
 岩波ジュニア新書

「短歌の味わい方について
優しく書かれた本」を探していました。
手頃なところで岩波ジュニア新書を
あたり、たどり着いたのが本書でした。
読んでみたのですが…、
短歌の味わい方も創り方も
書かれていません。
でもぐいぐいと引きつけられるように
読んでしまいました。
短歌のイロハはないのですが、
本書には教師として奮闘する
著者の前向きで明るい生き方が
溢れていました。
そして同じ教員である私は、
本書から大きなエネルギーを
受け取った次第です。

今日のオススメ!

本書から満ち溢れるエネルギー①
何事もまずは挑戦する

著者は「完全文科系男子で、
学生時代には音楽と演劇しか
やってこなかった」にもかかわらず、
高校教師として水泳部+バスケ部、
陸上部+軽音楽部など、
複数の運動部の顧問を引き受けるなど、
バイタリティに溢れています。
書かれてある内容からすると
技術指導を伴う「主担当」ではなく、
メンタル面を中心とした
サポートを行う「副顧問」と
考えられますが、
それでも放課後や土日の時間の多くを
費やすのですから、
大変なことには違いありません
(もっとも私を含めて多くの教師が
40代まではそのような生活に
ならざるを得なかったのですが)。

本書から満ち溢れるエネルギー②
生徒と同じ目線に立つ

これが最も大変なことです。
無意識のうちに
教師は生徒の上に立とうとします
(意識的に立っている方も
いるのですが)。
しかし一段二段降りて、
生徒と同じ立場に立ち、
同じ目線で考えていくことの方が、
より一層高い意識と大きなエネルギーが
必要なのだと感じました。
毅然としながらも、
生徒の声に十分に耳を傾ける。
そうありたいと願いながらも
ともすれば
忘れてしまっていることです。
大切にしたいと思います。

本書から満ち溢れるエネルギー③
いつも前向きに考える

都会の高校の教員ですから、
私のような地方の中学校の教員などには
想像もできないような
大変な部分もあるのだと思われます。
しかしそうした「ブラック」な部分を
一切言葉にすることなく、
教師としての仕事の楽しさややりがいを
堂々と表現できていることに脱帽です。
「教員としてまだまだ力不足だが、
 「幸せな教員」の
 世界ランキングでは、
 かなり上位に入っていると思う。
 きっとオリンピック出場が
 狙えるレベルだ」

短歌を学ぼうとしている方や
短歌に興味を持ち始めた方以上に、
これから教員を志そうとしている
高校生・大学生に
ぜひ薦めたい一冊です。
教師という仕事は、
これだけ魅力に満ちているのです。

※奥付の著者データを見ると、
 何と1968年。私より2つ下。
 ほぼ同年代。私も頑張らなくては。

(2022.4.5)

Sasin TipchaiによるPixabayからの画像

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