「細雪」(谷崎潤一郎)③
谷崎と松子が守ろうとしたもの 「細雪」(谷崎潤一郎)中公文庫 ※本記事は2015年1月17日付けで Yahoo!ブログに投稿した記事を 加筆修正したものです。 先日のNHKクローズアップ現代で、 谷崎潤一郎と妻松子と...
谷崎と松子が守ろうとしたもの 「細雪」(谷崎潤一郎)中公文庫 ※本記事は2015年1月17日付けで Yahoo!ブログに投稿した記事を 加筆修正したものです。 先日のNHKクローズアップ現代で、 谷崎潤一郎と妻松子と...
雪子があぶり出した旧時代の結婚観・家族観 「細雪」(谷崎潤一郎)中公文庫 雪子に再び縁談が舞い込む。 公家華族・御牧子爵の庶子で、 45歳だという。 一方、東京滞在中に妙子は、 三好の子を妊娠しており、 4か月だというこ...
妙子が映し出した価値観の崩壊と転換 「細雪」(谷崎潤一郎)中公文庫 名家である蒔岡家は、 今や凋落しつつあった。 三女・雪子の縁談を、 蒔岡家の誇りから断り続けたため、 今や雪子は 30にもなって独身であった。 そんな折...
「徳」の人・中島、「色」の人・谷崎 「麒麟」(谷崎潤一郎) (「潤一郎ラビリンスⅠ初期短編集」) 中公文庫 南子は七人の美女で 孔子をもてなす。 美女たちは幽妙な香を ふんだんに焚きしめ、 辛辣な酒を次々に杯に注ぎ、 ...
これを心理サスペンスと言わず何と言う 「小さな王国」(谷崎潤一郎)(「日本文学100年の名作第1巻」) 新潮文庫 「小さな王国」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅤ」)中公文庫 貧しい教師・貝島の学級へ、沼倉という生徒が...
壮年男性二人の、母への思慕を交錯させた物語 「吉野葛」(谷崎潤一郎) (「吉野葛・盲目物語」)新潮文庫 後南朝を題材とする歴史小説を かねて構想していた「私」は、 秋の吉野で 案内役の友人・津村から、 彼の母親に関わる ...
この主人公の延長線上を描いたのは乱歩か 「秘密」(谷崎潤一郎) (「潤一郎ラビリンスⅠ初期短編集」) 中公文庫 「秘密」(谷崎潤一郎)(「刺青・秘密」)新潮文庫 「秘密」(谷崎潤一郎)(「百年文庫16 妖」)ポプラ社 ...
女性に対する盲目的な崇拝 「盲目物語」(谷崎潤一郎) (「吉野葛・盲目物語」)新潮文庫 一人の盲目の按摩師が客に物語る。 自分は戦国一の美人と謳われた お市の方(織田信長の妹)に仕え、 その悲運な人生を ともに味わってき...
仮想世界で生きることを決心した佐助の愛 「春琴抄」(谷崎潤一郎)新潮文庫 自ら盲目となった佐助は、 それ以後も春琴の 身のまわりの世話をするとともに、 春琴に代わって弟子の稽古を付け、 一家の生計を支えた。 しかし佐助は...
嗜虐を越えて極限まで結晶化した春琴の愛 「春琴抄」(谷崎潤一郎)新潮文庫 秀でた技巧と類い希なる美貌、 そして峻烈な稽古によって、 盲目三味線師匠・春琴には 敵が多かった。 ある晩、 屋敷に忍び込んだ曲者が 熱湯を浴びせ...